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設立間近のアジアインフラ投資銀行

2017-03-09      文 子 墨

 

20141024日、中国、バングラデシュカンボジア、インド、モンゴル、ウズベキスタンカザフスタンなどを含む21の参加意向国の財務大臣と授権代表が北京に集まり、『アジアインフラ投資銀行設立計画備忘録』に調印し、共同でアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を決定した。APEC商工リーダーサミットで、習近平中国国家主席はアジアインフラ投資銀行の設立は「実質的な一歩」を踏み出したと評価した。118日、APEC商工リーダーサミットウイークに、コネクティビティ・パートナーシップの強化に関する対話会」に参加した各国は共同発表を行い、AIIBを世界銀行、アジア開発銀行などの金融機構の有益な補助機関と見なし、支持することを明らかにした。これは一年間の計画準備を経て、AIIBが正式に成立する日が近づいてきていることを意味している。

 

立ち上げ期間はわずか1年

AIIBはアジア地域における多国政府間開発機構であり、この地区のインフラ建設へのサポートを重点とする。同備忘録によると、AIIBの法定資本は1000億ドルで、当初は500億ドル程度を確保し、実納資本は引受資本の20%である。参加意向国はGDPと購買力平価換算による経済ウエイトを各国の株の分配の基礎とすることに同意した。中国が40%の株を占め、インドはAIIB2番目の株主となる。AIIB総部は北京に設立され、2015年末以前に創設される計画である。

無から有まで、AIIBは提議から備忘録の調印まで一年しかかかっていない。201310月、習近平国家主席の東南アジア訪問の際、インドネシアのユドヨノ前大統領と会談を行ったとき、中国側はAIIBの設立計画の提議を発表した。この提議の中で、地域間のコネクティビティ建設と経済の一体化を促進するために、中国側は「東南アジア諸国連合を含む発展途上国のインフラ建設に資金支持を提供することを望んでいる」と、習近平国家主席は表明した。

20141月、中国は「鉄は熱いうちに打て」とばかり、興味を示した十数のアジアの国とAIIBの設立計画における最初の多国間業務協商会議を開催した。中国側はAIIBの設立準備業務グループを設立させた。

その後、中国側はアジアの国々と4回ものAIIB設立準備のための多国間会議と一回の部長クラス晩餐会を開催し、AIIBの宗旨、整備、総本部の場所選択、株権構造などの問題について充分なコミュニケーションを行った。

多くの国が次々とAIIBの加入希望を表明した。20147月、張高麗中国国務院副総理は中南海でシンガポールのテオチーヒエン(張志賢)副首相と会見し、テオチーヒエン副首相は「シンガポールはAIIBの仲間となるだろう」との見通しを発表した。同月、タイは国家平和秩序維持委員会(NCPO)の許可を受け、AIIBの参加意向国の一つとなった。10月の初め、インドは南アジアの大型経済体として、AIIBの加入を承諾した。インドの官僚もインドはAIIB2番目の株主となり、約19%の投票権を占めるだろうと発表した。

1024日、21の最初の参加意向国の代表が北京人民大会堂で、共にAIIBの成立決定に調印し、アジア地区の新しい多国間開発機構の設立計画は正式に新しい段階に入った。「AIIBの設立は里程標の意味を持ち、アジアのインフラ建設と長期的発展の繁栄を力強く促進するだろう」と、シンガポールのターマンシャンムガラトナム副首相兼財務相は語った。

AIIBは中国がBRICS開発銀行の設立に次いで、積極的にその成立を促進した、多国間地域開発機構となった。AIIBが成立すれば、中国は最大の出資国・株主となるだろう。

AIIBの設立計画中の一年間、大多数のアジアの力強い擁護を受けた以外にも、国際的には質疑の声もあった。たとえば、世界銀行、アジア発展銀行に取って代わるのではないか、中国の「金権政治」となるのではないかという疑問である。さまざまな要因から、一部のアジアにおける重要な経済体、たとえば日本や韓国は、『アジアインフラ投資銀行計画設立備忘録』のサインテーブルの前に現れなかった。

AIIBの主な目標は準ビジネスのインフラに投資することであり、特にアジア地域のコネクティビティを実現することである。「現在、AIIBに加入した 21の経済体は『一帯一路シルクロード経済圏と21世紀海上シルクロード)かなり一致しています」と、楼継偉中国財政部長は語る。これらの「一帯一路」沿いの国々の多くは新興経済体と発展途上国であり、インフラは発達しておらず、融資需要は巨大である。

アジア開発銀行の報告によると、2020年まで、アジアは少なくとも8万億ドルのインフラ資金が必要で、その中でもインドネシアは2300億ドルを必要としており、ベトナム、ラオスカンボジア、タイのメコン川流域も500億ドルを必要としている。

AIIBはアジア・太平洋地域で重要な役割を果たすでしょう。投資・融資はインドネシアにとって非常に重要です。AIIBはこの国のインフラ建設を効果的に促進することができます」と、インドネシア財政部財政政策事務室のアンディン・ハディヤント主任は考えている。

多国間地域開発機構として、AIIBはアジア地域の各経済体のコネクティビティ強化に役立つだろう。「AIIBAPEC東南アジア諸国連合(ASEAN)などの枠組みと重なっておらず、国内で一方的に推進されている『一帯一路』という計画とも完全に対等ではないが、組織や計画においていずれもコネクティビティを重要な議題としており、またインフラ建設は現在、協調性が最も必要とされる提議でもあります。AIIBは融資の手本を提供したと言えます」。「融資の疎通はコネクティビティの主要条件です」と、南開大学APEC研究センターの劉晨陽主任は語る。

AIIBは世界銀行、アジア開発銀行などの既存の多国間開発銀行に挑戦するものではないかという憂慮に対して、楼部長は、「AIIBは既存の多国間開発銀行と相互補完の関係にあり、競争関係ではありません」と語っている。AIIBはアジアのインフラ建設に重点を置いているが、世界銀行、アジア開発銀行は貧困克服を主な宗旨としているためである。

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