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微信コミュニティ経済学

2017-03-09      文:子墨


 

毎朝目が覚めると、郭玉静はまず微信(WeChat)を開き、果物と飲み物を扱う自分の微店(WeChat Store)「校園哎吆嗨」の注文書をチェックする。約1年前、河南省許昌学院で学んでいた郭玉静は数名の同窓と微信上で微信果物店「校園哎吆嗨」を開いた。累計のフォロワーは2万人に近く、注文は数百件にまで増えた。発起人である郭玉静は「拡大のポイントはオンラインとオフラインの結びつけです。次の学期には料理人を雇って食堂を開き、微信で注文を受け付けるテイクアウトのお店を開こうと思っています。」と語る。

 

 

ソーシャルからビジネスまで

モバイルインターネットの普及にしたがって、中国では「校園哎吆嗨」のような微信を核にしたソーシャルプラットフォーム「微店」、「微商(wechat Business」などが次々と現れてきている。

資料によると、中国インターネット大手企業騰訊(テンセント)傘下のソーシャルプラットフォームである微信の登録者数は7億人に達しており、微博(ミニブログ)に継いで微信の市場潜在力はだんだんと大きくなっている。このことはビジネス界に共通した認識であり、微信は誕生の際の純粋なソーシャルプラットフォームから微商プラットフォームへと変貌を遂げている。

アイメディア諮問集団が発表した『20142015年中国微商業界研究報告』によると、2014年中国微商業界のショップオーナー企業は914万社に達し、2015年まで1137万社に達する見込みである。多くの伝統的な企業、オフラインのオーナーが次々と微商分野に参入し、これから数年間は中国微商ストアオーナーの増加傾向が一定の割合で持続するとみられている。

淘宝網(タオバオ)のような伝統的B2Cプラットフォームに劣勢の兆しが見えるにつれ、伝統的な小売業者は次々と自営への道に乗り出している。モールの公式サイトであろうと微信公式アカウントであろうと、淘宝ユーザーを微信プラットフォームへと誘導し、「コミュニティ」に似たチャットグループを作成し、累計ポイント、特別割引などの手段でグループの開拓を行っている。このような背景の下、微盟(weimob)のCEO孫涛勇はこれから35年の間、微商は急激に増加していくだろうと予測している。

多くの有名ブランド会社も続々と微商に進出している。宝潔(PG、珀莱雅(PROYA、丹姿DANZ)などの有名化粧品ブランドのほかに、美的(ミデア)、海爾(ハイアール)などの伝統的な家電メーカー、電子商取引に対して慎重な態度を持っていた「直売の元祖」であるアムウェイでさえもコミュニティへの進出を発表している。

国民全体が微商時代に入るのか?

今やスマートフォンで1分の簡単な登録を済ませば、誰でも微店を開くことができる。「国民全体が微商になる時代が来ています。淘宝はもう『過去』になりました。ショッピングの形態はモバイルインターネットへと大きく変化しました。」微店を評価する人はこのように語る。

ところが、このモバイルインターネットの敷居の低さが人々の生活に便利さをもたらすと同時に一連の問題も引き起こしている。プライベートなコミュニティがマーケティングのグループになってしまっている。『中国青年報』社会アンケートセンターの最新調査によると、調査対象の78.2%は自分の微信コミュニティ上で商品の販売情報を受け取ったことがあるという。中にはそれが嫌でコミュニティを閉じたという対象者もいた。

実際、コミュニティ上での過度なマーケティングはマイナス効果があることが明らかになってきている。微店マーケティングに従事する微信通のCEO王易は、微商のコミュニティによって取引するという単一ルートの販売方法はあまり効果がなくなり、現在微商の90%が業績の低下に見舞われ、破産したブランドもあるという。

微商のような電子商取引業者は指一本で販売と購入を実行させることができるにもかかわらず、監督管理制度の外に存在する新らしい事柄として存在している。一部の業者はニセモノを売り、消費者は自身の権利を守る方法もないという問題が露呈してきた。対外経済貿易大学電子商務学部の程絮森副教授は「大多数の消費者は取引対象の正確な情報を確認できず、その業者に対する消費を証明する証拠を保持、提供できないため、微商への訴えや告発に対応できていないのが現状だ。」と述べた。

政府の管理監督の他、業界全体で自律を進めていこうという動きがあらわれてきている。最初に「微商」というコンセプトを世に広め「微商のスポークスマン」といわれる陳育新は「微商五条(V5条)」を発表し、微商に自律を高め、ニセモノや粗悪品を取り扱わないよう、またコミュニティを大切にするよう呼びかけている。

微商のこれから

微商は一年という短期間で黎明期から最盛期を迎えた。それは微信のコミュニティを利用している大量のユーザー数と知人のソーシャルネットワークから利益を得てきたと言っていい。友人や知人を通じて買い物をするのが好きな人もいれば、それがプライベートに介入することを嫌う人もいる。このことを踏まえ、ソーシャルプラットフォームと電子商取引の結合体として微商はこれからどのように発展していくのだろうか?

「微信というプラットフォームにおいて、ユーザーが微商を受け入れるか、受け入れるとしたらどんな形で受け入れるのか、多くの自主選択権を持たせるべきだ。それと同時に、微信には取引システム、信用保障体系、消費者の権利保護メカニズム、カスタマー関係管理システムなどが必要だ。そうすれば微商の代理販売体系全体とオンラインやオフラインのリソース統合に対して規範的管理ができるだろう。」と、北京京師文化創意産業研究院の唐虹波は認めている。

とにかく、コミュニティ経済は個人の理性に回帰したものである。微商は新しいビジネスであり、一種の生活スタイルでもある。ただその精髓はコンテンツにありマーケティングではない

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