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王奥林:ディープブルーへ潜る

2017-03-09      文=楊雲倩 写真=秦斌・万全

 

 何の設備にも頼らず、酸素ボンベも持たず、自分の肺活量で呼吸を調整し、息を止めて潜り、自由に潜水する。これは、世界で二番目に危険なエクストリームスポーツと言われる。その危険性のため、国際フリーダイビング競技において、アスリートは自分の能力の範囲内で科学的に競技することが求められている。

 20164月、バハマのロングアイランドで行われるバーティカルブルー・フリーダイビング競技で、中国の選手である王奥林がコンスタントウエイト・ウィズフィンで水深92メートルを達成し、中国のフリーダイビング記録を更新した。これ以前には、優れた世界のフリーダイビング選手の中に中国人の姿は見られなかった。

 夕方6時、王奥林は時間通りに家の近くにある水泳クラブにやって来て、いつも通りの日常訓練を行った。蒸し暑い中、王奥林はマットレスの上でゆっくりと体を伸ばし、ヨガで肺の訓練をして、準備運動をしたのち、潜水服とフィンをつけて水に入り、魚のように自由にプールの中を泳ぎ回った。

 広い肩としまった腰、皮膚は黒く、たくましい体つき。中国のフリーダイビング記録保持者で、界拓自由潜水学院の創始者である王奥林は人びとが考える水中スポーツアスリートのイメージとぴったりと符合する。水に入り、深く潜ることは、王奥林にとって、とても自然なライフスタイルなのである。

 

水中では別人

 2カ月前のあの試合は、王奥林にとっていまだ記憶に新しい。

 バハマ諸島付近のディーンズブルーホールは世界のフリーダイバーたちのあこがれの聖地である。毎年4~5月にここでダイビング競技が行われ、これはわずか数十名の全世界の優秀なフリーダイバー選手が招待されて試合に参加し、多くのフリーダイバーたちは参加したくてもできないあこがれの祭典である。

 フリーダイビングは身体能力が優れていることだけでなく、潜る時に一切の雑念を排すことが求められる。でないと、酸素が欠乏したり、意識を失ったり、足や手が痙攣したりして、命を失う原因となる可能性がある。ディーンズブルーホールのそばには2つの墓が立っており、人びとにフリーダイビングの危険性を無言で訴えている。

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