中国画報—練習生——アイドルへの険しい道

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練習生——アイドルへの険しい道

2018-12-07      杜文=文 麦田=写真    

  • 据预测,2020年中国偶像市场总产业规模将达到1000亿元。.jpg

  • 根据不同的班级学员水平,乐理课的老师会因材施教,不少练习生需要从特别基础的乐理学起.jpg

    音楽の一般基礎理論の授業

  • 老师在体能课上纠正动作.jpg

    トレーニング

  • 训练间隙.jpg

    トレーニングの余暇

  • 吴清丽担任公演主持人.jpg

    季節公演の司会者をする呉清麗(左)

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  アイドルとは何か? 1990年代の中国大陸の若者のこの問題への答えは、香港・台湾のスターであった。今世紀初めの多くの人の答えは、日本や韓国のスターやアイドルグループとなり、のちにはテイラー・スウィフトやジャスティン・ビーバーなどの欧米の聞きなれた名前も含まれるようになった。そして現在の中国では、「アイドル」はすでに一つの特定名詞となり、芸を売りにしていた従来の芸能人とは異なり、アイドルは顔や人柄を売りとし、ふつう、歌やダンスがうまく、さらに頻繁にバラエティショーや映画、テレビドラマなどに出演し、頻繁に姿を見せることによりファンを引き付けるものである。

 2018年、多くのバラエティー番組が中国で人気を博するようになり、「練習生」という日韓のスター養成モデルも広く社会の注目を集めるようになっている。その核心は普通の若者を数カ月から数年の過酷な訓練・選抜により、最終的にアイドルとして売り出すというものだ。一部の観察者によれば、中国の「練習生元年」はすでに到来している。

 

残酷な「スターの夢」

 19歳の呉清麗は深圳育ちの香港人で、学生のころ、モデルのアルバイトをしていた。練習生になる夢を胸に、彼女は2018年5月に単身北京にやってきて、新しい生活を始めた。

 まず彼女は、ほとんどの練習生がこの道に入るときのようにあるマネージメント会社の練習生募集に応募した。こうした練習生がまずしなければならないのが、集中特訓だ。彼女は月曜から金曜日まで毎日平均4コマ、1コマ2時間のレッスンを受け、その内容は、声楽・ダンス・体育訓練・カメラ訓練などである。練習生はさらに週間テスト、月間テスト、シーズンテスト、半年テストなどを受けねばならず、マネージメント会社は彼らの歌やダンスのレベルを評価し、成績の悪い人は淘汰される。

 呉清麗にはモデル経験もあり、標準語も話せたので、マネージメント会社は彼女を季節公演の司会者とした。これは彼女が他の子よりもより多くスポットライトを浴びることができることを意味している。一般的にデビュー以前、マネージメント会社は練習生が外部の目にさらされるのを避ける。もしオーディションなどのチャンスがあれば、マネージメント会社は条件が合致する練習生を参加させる。

 21歳の段耀奇は呉清麗とは異なる。練習生になる前、彼はこの業界について全く無知だった。「小さい頃からバイオリンとダンスを習っており、芸能人になりたいと思っていましたが、大学入試の後、親は私がまったく興味がないコンピューターを学ばせたのです」。しかし、大学生活に彼は満足できなかった。「理工系のキャンパスにはダンスサークルすらなく、私は校外の学校を探して通いました」。何度も考えた挙句、彼は2018年初めに大学を退学し、実家のある太原から北京にやってきて、練習生となった。

 練習生となった後、段耀奇の歌とダンスのレベルは顕著に向上した。最近の公演では、彼は2つのダンス公演に出演した。彼の友人はほとんどが同じマネージメント会社の練習生で、「共通の話題はありますが、接触する人はかなり限られています」と彼は語る。

 

急速に発展する市場

 もし呉清麗や段耀奇がテストを次々とパスすることができれば、マネージメント会社は彼らの特長やその時の市場の状況をみて、彼らのデビューを手配するだろう。目下のところ彼らが毎日直面しているのは、厳しい訓練と残酷な淘汰である。ニュースでは韓国の800分の1という厳しい淘汰率が報道されることはないが、中国の練習生たちはやはり極めて厳しいプレッシャーを受けている。「もし2、3年経ってもデビューできなければ、この職業には向いていないのではないかと考えるでしょう」と呉清麗は言う。

 アイドルの職業化は80年代の日本に始まる。当時、多くの女性アイドルグループが日本に現れ、一世を風靡した。90年代後期になると、韓国のH.O.Tなどの男性アイドルグループを皮切りに、男性アイドルグループも人気を博するようになり、ダンスや歌、トークなどの分業がしばしばこうした男性アイドルグループの標準装備となった。

 中国の大陸部のアイドル市場は一説には2012年に始まった。これ以前には海外から帰国してアイドルになった人がいたくらいである。この年になるとようやく大陸本土化されたアイドルがようやく出現することになる。この年には後に人気を博することになるTFBOYSのメンバーである王俊凱、王源、易烊千玺にネットで火が付いた。そして、中日連合プロデュースによる女性アイドルグループのSNH48一期生もデビューした。同年、中韓ミックスグループであるEXO-Mが正式にデビューし、グループ内の中国人4人は後に国内で影響力のあるアイドルとなった。

 2016年と2017年だけで、中国大陸でデビューしたアイドルグループは20以上にものぼった。2018年、中国においてインターネット上で公開された2つのアイドル養成番組『アイドル・プロデューサー』と『プロデュース101』は高い再生率を得た。『アイドル・プロデューサー』第12回の再生数は30億回を超え、それに続く『プロデュース101』はさらにヒットして、第10回の再生総数は51億回近くとなった。2020年には中国アイドル市場の産業規模は1000億元にも及ぶだろうと予想されている。

 

熱狂後の論議 

 しかし、芸能界や資本の熱狂の背後で、練習生現象はまた社会の論議を引き起こしている。こうしたアイドル番組の中心的な部分は単純な競争であり、同質化により審美観の疲労がもたらされること、総合芸術の低俗化、過度のアイドル消費などについての論議が高まった。そのほか、社会各界には「アイドルは青少年の成長にプラスエネルギーをもたらすのか、青少年の手本となることができるのか」という問題に対し、憂慮を示す人もいる。

 こうした焦燥は同時に練習生自身の家族にも生まれている。「私の両親はずっと私のやることに反対してきました」と呉清麗は言う。長い期間にわたるこうした「対峙」を経て、彼女の両親は彼女の選択を尊重するようになっている。段輝奇の両親は複雑な心理的葛藤を経ている。彼らは息子が正規の大学教育を捨て、「ダンス」を学ぶことに対し、まったく理解できない思いでいる。

 こうした憂慮も理解しがたいものではない。平均年齢が2028歳の練習生のファンは圧倒的に若者が多い。若い頃から芸能界に身を投じたアイドルたちが彼らの夢となることは、確かに注目に値する。「私の娘が『一夜にして名を成す』といったことから、どんな価値観を学べるのか、疑問です」と38歳のメディア関係者の金善は語る。「私の考え方はちょっと極端かもしれませんが、練習生たちは努力しているとはいえ、学業を余りに早く放棄しています。この点からいっても残念だと思います。すべての道はローマに通じると言うじゃないですか。お金を稼ぐ、或いはファンを集めるのは一種の個人的選択とはいえますが、多くの若者がこうした成長モデルにあこがれるのはいただけません」

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練習生——アイドルへの険しい道

2018-12-07      杜文=文 麦田=写真      

  • 据预测,2020年中国偶像市场总产业规模将达到1000亿元。.jpg

  • 根据不同的班级学员水平,乐理课的老师会因材施教,不少练习生需要从特别基础的乐理学起.jpg

    音楽の一般基礎理論の授業

  • 老师在体能课上纠正动作.jpg

    トレーニング

  • 训练间隙.jpg

    トレーニングの余暇

  • 吴清丽担任公演主持人.jpg

    季節公演の司会者をする呉清麗(左)

  アイドルとは何か? 1990年代の中国大陸の若者のこの問題への答えは、香港・台湾のスターであった。今世紀初めの多くの人の答えは、日本や韓国のスターやアイドルグループとなり、のちにはテイラー・スウィフトやジャスティン・ビーバーなどの欧米の聞きなれた名前も含まれるようになった。そして現在の中国では、「アイドル」はすでに一つの特定名詞となり、芸を売りにしていた従来の芸能人とは異なり、アイドルは顔や人柄を売りとし、ふつう、歌やダンスがうまく、さらに頻繁にバラエティショーや映画、テレビドラマなどに出演し、頻繁に姿を見せることによりファンを引き付けるものである。

 2018年、多くのバラエティー番組が中国で人気を博するようになり、「練習生」という日韓のスター養成モデルも広く社会の注目を集めるようになっている。その核心は普通の若者を数カ月から数年の過酷な訓練・選抜により、最終的にアイドルとして売り出すというものだ。一部の観察者によれば、中国の「練習生元年」はすでに到来している。

 

残酷な「スターの夢」

 19歳の呉清麗は深圳育ちの香港人で、学生のころ、モデルのアルバイトをしていた。練習生になる夢を胸に、彼女は2018年5月に単身北京にやってきて、新しい生活を始めた。

 まず彼女は、ほとんどの練習生がこの道に入るときのようにあるマネージメント会社の練習生募集に応募した。こうした練習生がまずしなければならないのが、集中特訓だ。彼女は月曜から金曜日まで毎日平均4コマ、1コマ2時間のレッスンを受け、その内容は、声楽・ダンス・体育訓練・カメラ訓練などである。練習生はさらに週間テスト、月間テスト、シーズンテスト、半年テストなどを受けねばならず、マネージメント会社は彼らの歌やダンスのレベルを評価し、成績の悪い人は淘汰される。

 呉清麗にはモデル経験もあり、標準語も話せたので、マネージメント会社は彼女を季節公演の司会者とした。これは彼女が他の子よりもより多くスポットライトを浴びることができることを意味している。一般的にデビュー以前、マネージメント会社は練習生が外部の目にさらされるのを避ける。もしオーディションなどのチャンスがあれば、マネージメント会社は条件が合致する練習生を参加させる。

 21歳の段耀奇は呉清麗とは異なる。練習生になる前、彼はこの業界について全く無知だった。「小さい頃からバイオリンとダンスを習っており、芸能人になりたいと思っていましたが、大学入試の後、親は私がまったく興味がないコンピューターを学ばせたのです」。しかし、大学生活に彼は満足できなかった。「理工系のキャンパスにはダンスサークルすらなく、私は校外の学校を探して通いました」。何度も考えた挙句、彼は2018年初めに大学を退学し、実家のある太原から北京にやってきて、練習生となった。

 練習生となった後、段耀奇の歌とダンスのレベルは顕著に向上した。最近の公演では、彼は2つのダンス公演に出演した。彼の友人はほとんどが同じマネージメント会社の練習生で、「共通の話題はありますが、接触する人はかなり限られています」と彼は語る。

 

急速に発展する市場

 もし呉清麗や段耀奇がテストを次々とパスすることができれば、マネージメント会社は彼らの特長やその時の市場の状況をみて、彼らのデビューを手配するだろう。目下のところ彼らが毎日直面しているのは、厳しい訓練と残酷な淘汰である。ニュースでは韓国の800分の1という厳しい淘汰率が報道されることはないが、中国の練習生たちはやはり極めて厳しいプレッシャーを受けている。「もし2、3年経ってもデビューできなければ、この職業には向いていないのではないかと考えるでしょう」と呉清麗は言う。

 アイドルの職業化は80年代の日本に始まる。当時、多くの女性アイドルグループが日本に現れ、一世を風靡した。90年代後期になると、韓国のH.O.Tなどの男性アイドルグループを皮切りに、男性アイドルグループも人気を博するようになり、ダンスや歌、トークなどの分業がしばしばこうした男性アイドルグループの標準装備となった。

 中国の大陸部のアイドル市場は一説には2012年に始まった。これ以前には海外から帰国してアイドルになった人がいたくらいである。この年になるとようやく大陸本土化されたアイドルがようやく出現することになる。この年には後に人気を博することになるTFBOYSのメンバーである王俊凱、王源、易烊千玺にネットで火が付いた。そして、中日連合プロデュースによる女性アイドルグループのSNH48一期生もデビューした。同年、中韓ミックスグループであるEXO-Mが正式にデビューし、グループ内の中国人4人は後に国内で影響力のあるアイドルとなった。

 2016年と2017年だけで、中国大陸でデビューしたアイドルグループは20以上にものぼった。2018年、中国においてインターネット上で公開された2つのアイドル養成番組『アイドル・プロデューサー』と『プロデュース101』は高い再生率を得た。『アイドル・プロデューサー』第12回の再生数は30億回を超え、それに続く『プロデュース101』はさらにヒットして、第10回の再生総数は51億回近くとなった。2020年には中国アイドル市場の産業規模は1000億元にも及ぶだろうと予想されている。

 

熱狂後の論議 

 しかし、芸能界や資本の熱狂の背後で、練習生現象はまた社会の論議を引き起こしている。こうしたアイドル番組の中心的な部分は単純な競争であり、同質化により審美観の疲労がもたらされること、総合芸術の低俗化、過度のアイドル消費などについての論議が高まった。そのほか、社会各界には「アイドルは青少年の成長にプラスエネルギーをもたらすのか、青少年の手本となることができるのか」という問題に対し、憂慮を示す人もいる。

 こうした焦燥は同時に練習生自身の家族にも生まれている。「私の両親はずっと私のやることに反対してきました」と呉清麗は言う。長い期間にわたるこうした「対峙」を経て、彼女の両親は彼女の選択を尊重するようになっている。段輝奇の両親は複雑な心理的葛藤を経ている。彼らは息子が正規の大学教育を捨て、「ダンス」を学ぶことに対し、まったく理解できない思いでいる。

 こうした憂慮も理解しがたいものではない。平均年齢が2028歳の練習生のファンは圧倒的に若者が多い。若い頃から芸能界に身を投じたアイドルたちが彼らの夢となることは、確かに注目に値する。「私の娘が『一夜にして名を成す』といったことから、どんな価値観を学べるのか、疑問です」と38歳のメディア関係者の金善は語る。「私の考え方はちょっと極端かもしれませんが、練習生たちは努力しているとはいえ、学業を余りに早く放棄しています。この点からいっても残念だと思います。すべての道はローマに通じると言うじゃないですか。お金を稼ぐ、或いはファンを集めるのは一種の個人的選択とはいえますが、多くの若者がこうした成長モデルにあこがれるのはいただけません」


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