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ワインから知る百年の茨中

2017-05-02      文=本誌記者 周瑾 写真=虞向軍

 

  

 

 

 中国南西部の国境近くの滄江が梅里大渓谷を過ぎるあたりに、山を背に水際にたつ美しく静かな多民族居住村落、雲南省迪慶州徳欽県茨中村がある。茨中村は平均標高が1800メートルで、100年余り前、ヨーロッパの宣教師や外国人探検家が山を越え、川を渡ってここにやってきて、今でも中国人の多くがここを「この世の桃源郷」と考えている。

 茨中の印象は一杯のワインから始まった。チベット族の村民アチャシュの家で、彼は自分の家で醸造したワインを熱心にみんなに振る舞ってくれた。彼の家には4ムー(1ムーは15分の1ヘクタール)のブドウ畑があり、植えられているのは古くからあるローズ・ハニーで、これは19世紀初めにフランスの宣教師が雲南に定植したフランスの食用兼ワイン用のブドウの品種である。

 アチャシュと彼の息子はカトリック教徒である。彼の息子のチャアウェイの英語名はデビッドだ。息子の嫁はチベット仏教を信じている。アチャシュは彼らのように異なる宗教を信仰する家庭は茨中では珍しくないと言った。ここでは信仰は個人の選択であり、他人の干渉を受けることはない。村の中のカトリック教徒はカトリックの習慣によって冠婚葬祭を行い、仏教徒もそれに平和的に参加し、逆もまた然りである。ここでは人々は早くから万事が相互に作用し、共存共栄できるということを学んでいる。

 赤ワインはカトリックの儀式において必需品である。ワインがここで根をおろしたのは、カトリックの茨中での普及・発展と深い関係がある。統計によると、現在茨中の三分の二の村民はカトリックを信仰しており、チベット仏教を信仰する村民は三分の一である。

 百年の歴史をもつ茨中のカトリック教会堂は古い歴史を持ち、茨中の歴史を理解するための重要な窓口となる。一説では、茨中カトリック教会の周囲のブドウ畑こそ、フランスのボルドーの原始品種がもたらされたもので、この品種はボルドーではすでに絶滅したものの、はるか遠くの中国の南西部でその生命力と活力をいまだ維持しているのだという。

 


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