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『茶館』――東方舞台の奇跡

2017-08-01      龔海莹=文 北京人民芸術劇院=写真提供

 
『茶館』

 

 2017612日夜7時半、中国舞台劇の古典的な演目であり、中国国家クラスの劇団「北京人民芸術劇院」の設立以来最も人気が高い『茶館』が、首都劇場(北京人民芸術劇院の本拠となる劇場)での今シーズン計12回の初演がスタートし、何千人にもおよぶ収容人数を誇るこの劇場は満席となった。

 この日はまた、「中国戯劇の殿堂」とされる北京人民芸術劇院設立65周年の日でもあった。このため、『茶館』の上演は単なる古典劇の再演ではなく、深い意義を持つ記念的上演であったといえる。

 

中国から世界へ

 1956年、中国現代文学の巨匠である老舎は三幕のリアリズム舞台劇『茶館』を創作し、これは老舎の最もすぐれた作品とされている。1958年、『茶館』は北京人民芸術劇院によって初演され、それから60年もの間、この演目は2世代の北京人民芸術劇院メンバーによって演じられきて、中国ないしは世界の大都市で長らく上演され続け、今では700回近い上演回数となっており、北京人民芸術劇院の風格を示す代表作となっている。

 老舎によれば「一つの大きな茶館とは、すなわち一つの小さな社会である」。『茶館』は計3幕の劇であり、どの幕も北京にある裕泰茶館を舞台とし、半世紀余りの歳月にわたり70余人が登場し、清末、北洋軍閥期、抗日戦争勝利後という3つの歴史的段階にある裕泰茶館の盛衰とさまざまな人物の命運を描いたもので、さらには「彼らの生活上の変遷から社会の変遷を映し出した」(老舎の言葉)ものである。

 『茶館』は間違いなく中国のものである。まず、老舎が選んだ「茶館」という舞台自体が中国の典型的な表現となっている。この舞台のもとで、「言語芸術の大家」といわれた老舎が個性的な北京なまりの、簡潔そして意味深長なセリフを使って、如才がない茶館の主人王利発、正直で善良な常四爺、一心に実業により国を救いたいと願う秦二爺などの個性的で鮮明な人物をつくりあげた。

 舞台芸術からいうと、当初『茶館』を舞台で上演したのは、中国の著名劇作家で北京人民芸術劇院の創立者である焦菊隠(19051975)と、中国の著名舞台演出家の夏淳(19182009)という2人で、彼らはリハーサルの時、舞台劇の民族化の試みを行った。彼らが演出を行った舞台劇『茶館』は、舞台の雰囲気も、そのストーリーの進め方も、中国文化的特色に満ちていた。中国の著名舞台演出家で『茶館』の復活上演リハーサルの芸術指導を行った林兆華は、『茶館』全体に焦菊隠氏の戯曲美学と原則がにじみ出ており、劇のリズム、人物の処理の仕方、時空叙述、演技の多元化など、それは至るところに見られると指摘している。


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