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『蘭陵王』――魂と仮面の現代の寓話

2017-08-28      龔海莹=文

 
 

          『蘭陵王』のスチール  写真 王昊宸               『蘭陵王』のスチール  写真 王昊宸


 ヨーロッパの現代劇が「舶来品」として中国に入ってきてから、110年がたった。前世紀の初めに中国現代劇の先駆者たちが現代劇を救国救民のツールとし始めてから、中国現代劇は中国の現実と緊密な関係を保ってきた。

 長く深い戯劇の伝統を持つ中国において、いかにして現代劇という外来の劇と伝統戯劇、そして文化・言語環境をひとつに融合するかが、中国現代劇創作者がずっと考え続けてきた重要なテーマであった。1930年代に中国戯劇学者の張庚が「現代劇の民族化」を提起して以来、焦菊隠、欧陽予倩、曹禺ら多くの中国現代劇芸術家はこの「民族化」に対し、多くの思考と創作を重ねてきたが、こうした思考は現在も続いている。

 中国戯劇協会副主席で中国国家話劇院の著名な演出家である王暁鷹は、前世代の芸術家の創作と深い表現を基礎にして、さらに一歩「現代劇の民族化」の可能性を切り開いた。2006年の知識青年の物語を述べたオリジナル劇『荒野と人』、2007年の歴史を題材にとった現代劇『覇王歌行』、2012年の中国版シェークスピアの『リチャード3世』、そして2014年の歴史劇『伏生』などの劇のリハーサル中に、王暁鷹は一連の意義ある模索を行ってきた。

 201771116日、王暁鷹監督のオリジナル劇『蘭陵王』が中国国家話劇院劇場で初めて上演されたが、この劇は彼の「中国的意象の現代的表現」という演出家の芸術的追求における新たな模索であり、彼のここ十数年の中国の「現代劇の民族化」問題に対する最新の思考を示しているものだった。「『蘭陵王』では、物語の叙述、人物創造、感情表現、思想の伝達における全過程の中で中国伝統文化芸術、特に伝統戯劇の美の境地を追求したかったのです」と王暁鷹は言う。

 現代劇『蘭陵王』は、北斉の名将蘭陵王の英雄伝奇物語を題材にとり、歴史上の人物にまったく新たなエピソードを添え、英雄である蘭陵王を、父王の殺害を目撃したために娘に姿をやつし、本当の姿を隠すことを強いられた柔弱な王子と設定したものだ。この現代劇では人性の中の「羊」の面と「狼」の面という両極を重点的に描き、芸術的シンボルを用いた手法で、「魂と仮面」に関する現代の寓話を述べている。


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