中国画報—現代中国絵画芸術の創造——王西京の水墨画

現在位置  : ホーム >> 芸術 >> テキスト

現代中国絵画芸術の創造——王西京の水墨画

2018-03-26      文=邵大箴    

  • 酣春 春を満喫する 170X126cm  2017.jpg

    「春を満喫する」

  • 山鹰,(哈萨克斯坦)137X144cm 2017(1).jpg

    「山鷹」

  • 丹麦老人126X100cm   2017(1).jpg

    「デンマークの老人」

  • 阿玛   121X94cm 2017.jpg

    「阿瑪」

< >

 

 王西京

 1946年西安生まれ。中国美術家協会理事・中国美術家協会中国画芸術委員会委員、中国画学会副会長、中国芸術研究院教授を兼任、第12回全国政治協商会議委員、第9回、第10回全国人民代表大会代表、国務院に「国家クラスの突出した貢献をした専門家」などの称号を受けている。彼はかつてイギリス・フランス・シンガポールなどの国で30回余りの個展を開き、「フランス国際美術サロン展」特別賞など国内外の多くの賞を獲得し、国内外にも名を知られている。

 

 「現代中国で最も代表的な人物画家の一人(中国美術家協会主席劉大為の言葉)」として、王西京は時代と共に歩む文化的自覚性をもった芸術家であり、彼の作品の一つひとつが彼の生活する時代の社会意識から美的理想の変化までを反映している。彼の個人的芸術審美の傾向は、彼の民族伝統芸術の深い認識を反映している。

 王西京は1968年美術類専攻の学校を卒業したのちに芸術創作の道を歩み始めた。彼は大量の古代人物画や連環画(子供向けの絵本)創作の模写を通じて、特に線を基礎とした中国画の造形技法を高めた。1969年から1974年、彼は『越南女英雄』『林中响箭』というすぐれた連環画を二冊創作し、業界内部での好評を得た。1978年、彼は『中国線描人物画技法』を編集・出版し、伝統的人物画の線描技法に系統だった深い紹介をおこなった。これは同輩の芸術家の中でも彼が比較的早く伝統中国画の価値を認識したことを示している。

 198090年代に、中国が西洋芸術との摩擦や交流を深めるなかで、中国伝統芸術、特に人物画の分野において、現代化へ向けた積極的な成果も生まれた。新たな形式を持つ人物画を完全なものとするため、いかにして西洋画の写実的素描を、線を基礎とした中国画の写意造形の中に融合させるかは、何世代もの芸術家の努力を必要とした。王西京が中国現代人物画画壇に足を踏み入れた時、彼もまたこの課題に直面した。一連の歴史人物画の創作の中で、彼はこれを解決する方法をしだいに模索していき、この段階の創作成果が、1984年に完成された『遠ざかる足音』のなかによく反映されている。

 1980年代中期以後、王西京の伝統文化精神、中国画独特の観念や技巧に対する認識は深まり続け、人物画の上でも新たな芸術的追求が行われ、芸術風格の上で比較的はっきりとした変化も現れた。『魯迅』を代表とする一連の歴史人物絵画作品のなかで、画家はことのほか線の表現力を重視し、空白の中に配置されることの作用・効果により注目し、言葉はさらに写意性をもち、中国伝統文化精神をより体現するようになった。彼は写実的な造形技法を奥深く隠し、外に露出させていないが、人物イメージづくりのうえにいまだ彼が写実の造詣から得た底力を感じ取ることができる。

 こうした風格の変化は王西京からすると、実践経験の蓄積によるもので、一種の新たな体得であるとも言える。これは時代が中国画創作に出した新たな課題であり、旧(文人画を含む中国古代絵画の伝統)と新(五四運動以来形づくられた絵画の新伝統)との整合である。われわれは、現代中国画の人物画は民族文化の芸術的伝統に深く根差したものであるという事実に直面する必要がある。しかしこれは単に古い道を歩む必要があるということではなく、文人画というすぐれた文化的伝統の中から重要なものを汲み取って、新しい形である写実型人物画にも民族精神を必ず表現しなければならないということである。

 王西京は問題の実質をはっきりと意識しており、彼は「民族伝統」「時代」そして「個性」などに内在する重要な概念について真剣に思考している。このため、彼の芸術風格の変化は自然なものといえる。彼の多くの古代文人雅士あるいは古代の詩歌を題材とした人物画は、十分に伝統的な墨による表現について研究されている。さらに重要なことは、これらの絵画には王西京自身の鮮明な特色があることだ。清らかで優雅な格調をもち、イメージには深い内容が感じられる。

 中華民族の伝統芸術の情緒や格調、優れた技巧を深く身につけ、さらに開豁な文化的視野をもった王西京は、芸術家は伝統と現代の美意識の間に橋を架けなければならないということをよく知っている。現代感あふれる中国芸術の創造のために、彼は常に考え、創作している。彼の一部の作品はすでに人物画の範囲を超えていて、シンプルでありながらも含蓄が深く、ひいてはあいまいな言葉である種の意境を表現し、人生、歴史、宇宙に対する考えを表現している。彼の筆墨による写意の模索には無限の可能性が秘められている。

(作者は現代中国美術理論家・国画家)

 

<

>

現代中国絵画芸術の創造——王西京の水墨画

2018-03-26      文=邵大箴      

  • 酣春 春を満喫する 170X126cm  2017.jpg

    「春を満喫する」

  • 山鹰,(哈萨克斯坦)137X144cm 2017(1).jpg

    「山鷹」

  • 丹麦老人126X100cm   2017(1).jpg

    「デンマークの老人」

  • 阿玛   121X94cm 2017.jpg

    「阿瑪」

 

 王西京

 1946年西安生まれ。中国美術家協会理事・中国美術家協会中国画芸術委員会委員、中国画学会副会長、中国芸術研究院教授を兼任、第12回全国政治協商会議委員、第9回、第10回全国人民代表大会代表、国務院に「国家クラスの突出した貢献をした専門家」などの称号を受けている。彼はかつてイギリス・フランス・シンガポールなどの国で30回余りの個展を開き、「フランス国際美術サロン展」特別賞など国内外の多くの賞を獲得し、国内外にも名を知られている。

 

 「現代中国で最も代表的な人物画家の一人(中国美術家協会主席劉大為の言葉)」として、王西京は時代と共に歩む文化的自覚性をもった芸術家であり、彼の作品の一つひとつが彼の生活する時代の社会意識から美的理想の変化までを反映している。彼の個人的芸術審美の傾向は、彼の民族伝統芸術の深い認識を反映している。

 王西京は1968年美術類専攻の学校を卒業したのちに芸術創作の道を歩み始めた。彼は大量の古代人物画や連環画(子供向けの絵本)創作の模写を通じて、特に線を基礎とした中国画の造形技法を高めた。1969年から1974年、彼は『越南女英雄』『林中响箭』というすぐれた連環画を二冊創作し、業界内部での好評を得た。1978年、彼は『中国線描人物画技法』を編集・出版し、伝統的人物画の線描技法に系統だった深い紹介をおこなった。これは同輩の芸術家の中でも彼が比較的早く伝統中国画の価値を認識したことを示している。

 198090年代に、中国が西洋芸術との摩擦や交流を深めるなかで、中国伝統芸術、特に人物画の分野において、現代化へ向けた積極的な成果も生まれた。新たな形式を持つ人物画を完全なものとするため、いかにして西洋画の写実的素描を、線を基礎とした中国画の写意造形の中に融合させるかは、何世代もの芸術家の努力を必要とした。王西京が中国現代人物画画壇に足を踏み入れた時、彼もまたこの課題に直面した。一連の歴史人物画の創作の中で、彼はこれを解決する方法をしだいに模索していき、この段階の創作成果が、1984年に完成された『遠ざかる足音』のなかによく反映されている。

 1980年代中期以後、王西京の伝統文化精神、中国画独特の観念や技巧に対する認識は深まり続け、人物画の上でも新たな芸術的追求が行われ、芸術風格の上で比較的はっきりとした変化も現れた。『魯迅』を代表とする一連の歴史人物絵画作品のなかで、画家はことのほか線の表現力を重視し、空白の中に配置されることの作用・効果により注目し、言葉はさらに写意性をもち、中国伝統文化精神をより体現するようになった。彼は写実的な造形技法を奥深く隠し、外に露出させていないが、人物イメージづくりのうえにいまだ彼が写実の造詣から得た底力を感じ取ることができる。

 こうした風格の変化は王西京からすると、実践経験の蓄積によるもので、一種の新たな体得であるとも言える。これは時代が中国画創作に出した新たな課題であり、旧(文人画を含む中国古代絵画の伝統)と新(五四運動以来形づくられた絵画の新伝統)との整合である。われわれは、現代中国画の人物画は民族文化の芸術的伝統に深く根差したものであるという事実に直面する必要がある。しかしこれは単に古い道を歩む必要があるということではなく、文人画というすぐれた文化的伝統の中から重要なものを汲み取って、新しい形である写実型人物画にも民族精神を必ず表現しなければならないということである。

 王西京は問題の実質をはっきりと意識しており、彼は「民族伝統」「時代」そして「個性」などに内在する重要な概念について真剣に思考している。このため、彼の芸術風格の変化は自然なものといえる。彼の多くの古代文人雅士あるいは古代の詩歌を題材とした人物画は、十分に伝統的な墨による表現について研究されている。さらに重要なことは、これらの絵画には王西京自身の鮮明な特色があることだ。清らかで優雅な格調をもち、イメージには深い内容が感じられる。

 中華民族の伝統芸術の情緒や格調、優れた技巧を深く身につけ、さらに開豁な文化的視野をもった王西京は、芸術家は伝統と現代の美意識の間に橋を架けなければならないということをよく知っている。現代感あふれる中国芸術の創造のために、彼は常に考え、創作している。彼の一部の作品はすでに人物画の範囲を超えていて、シンプルでありながらも含蓄が深く、ひいてはあいまいな言葉である種の意境を表現し、人生、歴史、宇宙に対する考えを表現している。彼の筆墨による写意の模索には無限の可能性が秘められている。

(作者は現代中国美術理論家・国画家)

 


中国专题图库