| 中国画報の購読 |



3000年の歴史を持ち、かつての6王朝の都であり、1千万以上の人口を擁する巨大都市北京は、工業からサービス業を主とする経済モデルに転換したのち、次にはいかなる新しい経済の発展方向を選択するのか? 北京は文化クリエイティブ産業の道を選んだ。
ここ数年来、北京の文化クリエイティブ産業は盛んに発展しつつあり、北京の経済成長の新しい注目点、社会発展の新しいエンジンとなり、都市の新たなシンボルとなっている。
概念とそれが生み出す富
文化クリエイティブ産業とはいったい何だろう?
ラフ統計によると、現在北京では文化クリエイティブ産業の従事者は約90万人いるという。新興産業として、「文化クリエイティブ産業」が中国で流行語になったのはここ数年のことだが、世界的に見ると、もう十年以上の歴史を持っている。
最初に「文化クリエイティブ産業」のコンセプトを提出したのは、イギリスだった。早くも1990年代、イギリスは「クリエイティブ」を文化政策書類に取り入れ、1998年に発表された『イギリスのクリエイティブ産業への道に関する書類』には、明確に「クリエイティブ産業」の概念が打ち出されている。「クリエイティブ産業」とは、個人の創造力•才能から発展の原動力を得る企業、および知的所有権の開発によって富や就職チャンスをつくり、社会生活環境の向上を促進する活動を指す。一般的には、広告、建築芸術、芸術品と骨董品市場、ファッション、デザイン、映画と映像、インタラクティブ•ソフトウェア、音楽、演劇、出版業、ソフトウェアおよびコンピュータサービス、テレビ•放送などを指す。更に、観光、博物館と美術館、文化遺産、スポーツなども含む。
イギリスは最初に「クリエイティブ産業」を打ち出し、優遇政策によりクリエイティブ産業の発展を推し進めた国家である。1997年、ブレア首相が当選して最初にやったことは、「クリエイティブ産業グループ」の設立で、しかも自らグループの責任者となった。ブレア首相は、製造大国の地位を失ったイギリス経済の支柱を、製造業に代えてクリエイティブ産業にしようとしたのだ。
十数年の発展を経て、クリエイティブ産業はイギリスで金融サービス業に次ぐ第二の産業となった。イギリス文化•メディア•スポーツ省の推算によると、クリエイティブ産業の付加価値は8%となり、1997年以来、イギリス経済成長の倍以上の速度で発展しているという。2年後には、クリエイティブ産業は金融サービス業を超えてイギリス第一の産業となるだろうと、専門家は予測している。文化クリエイティブ産業の発展は、イギリスを世界の製造工場から「世界のクリエイティブセンター」に転換させ、イギリスの競争力を全面的に向上させた。
中国国内を見ると、香港•台湾と上海は、早くからクリエイティブ産業に注目していた地区である。北京が文化クリエイティブ産業を発展させる方針を確立したのは、2005年の12月であった。
2005年12月に開かれた共産党北京市委員会第9期第11回会議で、首都経済の発展趨勢と任務を深く分析した上で、文化クリエイティブ産業を大いに発展させるという決定が下された。それから2年がたち、政府の優遇政策に支えられて、北京市の文化クリエイティブ産業は盛んに発展している。
2007年、北京市文化クリエイティブ産業の資産総額は、前年同期比17.9%増の7260億元、収入は前年同期比27.3%増の4601.6億元に達し、全市GNPに占めるシェアは10.6%に上がり、前年同期比50.7%増の216.2億元の利潤を生み出して、納税額は前年同期比28.3%増の216.7億元に達した。
国際的水準を参照すると、一つの産業の増加値がGDPに占めるシェアが6%を超えれば、支柱産業と言える。現在、文化クリエイティブ産業は文句なしに北京市の支柱産業の一つに数えられている。
古都の新しい位置づけ
文化クリエイティブ産業の発展に話が及ぶと、共産党北京市委員会宣伝部陳冬副部長は、北京市は恵まれた条件を持っていると語った。
まず、全国の文化的中心である北京は、文化クリエイティブ産業発展の地理的メリットをもつ。首都である北京は、全国の政治•文化の中心である。北京は、3000年あまりの都市としての歴史と800年以上の首都としての歴史を持ち、世界にも名を知られている文化的古都である。北京市の文化クリエイティブ産業の提唱は、北京市の「国家の首都、国際都市、文化都市、住みやすい都市」という位置付けに符合する。
二番目として、全国の文化市場の中心地である北京市の巨大な文化消費市場は、文化クリエイティブ産業の発展を推し進めるうえで巨大なエンジンとなる。文化クリエイティブ産業の発展は、全面的に向上した人々の生活レベルと、レベルアップした消費構造が内在する需要による必然的な結果である。2005年、北京市の一人当たりのGDPは5000ドルを突破した。2006年、北京市の一人当たりのGDPは6000ドルを超え、市民の消費構造に大きな変化が起こった。市民の一人当たりの教育文化娯楽支出は、前年同期比15%増の2515元に達し、一人当たり消費支出の17%を占めるようになった。ソフトウェア、インターネット、コンピュータサービス、デザインサービス、芸術品交易、レジャー観光業などを代表とする文化クリエイティブ産業は、社会需要の変化の影響を受けて発展を加速している。
三番目として、北京の豊かな文化資源は、文化クリエイティブ産業を発展させる資源的メリットである。北京市の文化的資源は豊かで、文化施設が整い、数多くの出版機構があり、テレビドラマや映画の製作量は全国の過半数を占めており、文化クリエイティブ産業の集中地区である。北京地区の文化財は、3322カ所と多く、うち世界遺産に登録されているものは6カ所で、2006年の北京市博物館の登録総数は133ヵ所と多い。北京には77の大学、353の科学研究所があり、クリエイティブ人材が集まる所でもある。
四番目として、改革開放の30年間の発展を経て、北京市はすでに文化クリエイティブ産業を発展させる確実な物質的基礎を備えている。「十一•五(第11期五カ年計画)」期間、北京地区のGDPは年間平均12.1%というスピードで増え、2006年地区のGNP は7720.3億元で、一人当たりのGDPは約1.5倍の6210ドルに増えた。地方財政の収入は、2001年の454.2億元から2006年の1117.2億元に増えた。
グローバルなクリエイティブ産業発展という大きな波の中で、北京市は自身の文化科学技術資源のメリットを生かせる産業――文化クリエイティブ産業を見つけた。明確な産業の位置付けは、北京市の経済発展の方向を定め、古いメトロポリスである北京に新しい情熱と夢をもたらした。
北京大学文化産業研究所の陳少峰副所長が語るように、「全国の政治的中心と文化的中心である北京は、文化産業の発展にはもっとも適したところで、文化的価値は他の地方の倍になります」。