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国境を越えたボランティア、チャド•フートレル
文/李 潔

 

 
北京市門頭溝の沿河城地区で展開された春季植樹活動で、木の苗に水をやっているフートレルさん
 
 2006年の夏、「自然の友」の大家庭の中に、アメリカのノースカロライナ州からやってきたボランティア、チャド•フートレル(中国語名、傅強)が現れた。彼の有能さ、長年にわたるボランティアとしての経験、そして俳優のようなハンサムな容貌のため、彼はみんなに「超級ボランティア」と呼ばれた。

「僕は農民の子だ」

   「僕は農民の子だ」というのは、フートレルさんの口癖だ。彼の父親は典型的なアメリカの農民で、彼はそれを誇りに思っている。物心ついたときからずっと、彼の父親は自分の農場で勤勉に働いていたが、後に経営に失敗し、農場を売ってしまった。しかし、フートレルさんは高校卒業までずっとほかの農場でアルバイトをしていた。高校生の16歳のとき、フートレルさんは中国や韓国からの多くの留学生と知り合い、彼らとの付き合いを通じてアジアの文化と歴史に興味を持ち始めた。1991年、彼はノースカロライナ州立大学の宗教学(仏教と道教)と经济学部に入学し、この大学で、彼は初めてボランティアに参加した。SEAC(Student Environmental Action Coalition-学生環境行動連合)という全国的な学生環境保護組織のボランティアとなり、そこで資源利用率を最大にするための回収関係の仕事に携わった。大学3年生のころ、フートレルさんは交换留学生としてイギリスのサセックス大学に留学し、フランスとドイツの哲学を学んだ。留学している間、豊かな家庭ではなかったため、彼はいろいろなアルバイトをせざるを得なかった。コーヒー店、映画館、レストラン、図書館、建設現場などさまざまなアルバイトをしながらも時間を絞り出し、ダーティ•ウィークエンダーズ(Dirty Weekenders)という組織のボランティアとして、実践的な環境保護活動に従事した。

ボランティアの精神の実践

   1996年、フートレルさんは大学卒業後、人類学専門の奨学金を得て、韓国へ赴きシャーマニズムと仏教との関係を研究した。韓国でも彼は韓国の民間組織でボランティアをしようとしたが、言語が通じないため、50回も電話をかけた挙句、たった2つの国際組織が彼にボランティアとしてのチャンスを提供してくれただけであった。この経験を経て、彼はボランティアをするためには言語という障害を突破する必要があると痛感した。1年間の苦学ののち、彼は地元の民間組織と言語的な障害がなくコミュニケーションを行えるようになり、晴れて韓国環境運動連合(KFEM)のボランティアとなったのである。

   1999年、フートレルさんはアメリカのコーネル大学に入り、発展経済学と環境管理学を学んだ。在学期間中、每年夏になると韓国に行って韓国語を学び、韓国の環境運動について研究を行った。2003年のとき、彼はコーネル大学と清華大学のIUPプロジェクトに参加し、中国語の勉強を始めた。たった1年で、彼は高級中国語の資格試験を通過した。3年間の努力を経て、現在は中国語でのコミュニケーションを円滑に行えるようになっている。

   2006年、フートレルさんは「自然の友」のボランティアとなった。彼はそれ以前にもマングローブ林視察や中国•韓国砂漠化防止プロジェクトなどにも参加している。マングローブ林保護のプロジェクトで福建へ視察に行ったとき、更に多くのマングローブ林保護の資料を直接入手するために、フートレルさんはなるべく地元の人々と話すよう努力した。地元の人たちは重い方言を話したが、資料の真実性と客観性を保持するために、彼は毎回の交流機会に真剣に取り組み、積極的に動き回って価値ある情報を探した。彼の言語能力は、中国•韓国砂漠化防止プロジェクトで重要な役割を果たした。彼は多くの文献資料を翻訳し、中•韓の民間環境保護団体の交流を促進し、そしてプロジェクト前期に必要とされる調査や枠組み決めのために必要なたくさんの仕事を行った。

戸外トレーニングを行うフートレルさんとボランティアたち

よりよい世界を作るために

   アメリカからイギリスまで、そして韓国から中国まで、フートレルさんはずっとボランティアの精神を自ら実践して、その精神を人々に伝えている。彼は人と話しているとき、こんなに長い間ボランティアとして活動しているのはどうしてなのか、いったいどんなエネルギーが彼を駆り立てるのか、とよく聞かれるという。そう聞かれたら彼はこのように答えるそうだ。

   「この時代はチャンスやチャレンジの機会に溢れています。私たちは、自分が好きなことをする時間をたくさん持っています。切手コレクションや写真が好きな人がいるように、私は普通のボランティアをするのが好きなのです。ボランティアの仕事は私の目から見れば、この世界を創造している仕事なのです。一つのコミュニティの現状を改善できるのは、とても幸せなことです。18歳でボランティアを始めたときから、博士論文を書いている今までずっと、環境分野における多国間協力、中でも中国と韓国の間の民間組織の役割をテーマとして研究を行ってきました。長年にわたって社会学を学び私の知識は豊かになりましたが、理論だけではだめで、実践と結びついてはじめて、理論は最も大きな力を発揮できるのです。私がボランティアの仕事を続けている理由は、環境運動は一人の力でできることではないと信じているからで、私にとって環境運動は一つの理想で、一生追求していくべきものだからです。」

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