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時代がチャンスをくれた
文と写真 賀延光

賀延光は新中国成立初期に生まれた。知識青年だった彼は、北大荒(黒竜江省にあった国営農場「黒龍江省農墾総局」)に下放され、19764月、25歳の賀延光は「四人組」に反抗する「四五運動」に参加したため、7カ月投獄され、そのときに撮影と記録の重要さを深く認識した。名誉回復後、賀延光は中国共産主義青年団中央委員に当選し、明るい前途が開けたが、「写真はもっとも心を打つもので、真実を記録するものである」という信念から、報道カメラマンという職業を選んだ。

この30年間、賀延光はほとんどすべての重大事件の現場を体験した。彼はレンズで中国の改革開放の過程を記録してきたのだ。

現在、彼は『中国青年報』の写真総監、高級記者、中国報道撮影学会副会長を担当している。「全国好報道撮影賞」を4回、「中国報道賞特別賞」を1回、「中国報道賞」一等賞を2回獲得し、1986年には「全国の優れた報道撮影記者十人」に選ばれた。

写真はもともと青年時代の趣味でした。1971年、最初のカメラを手に入れました。日本製の120型カメラで、抗戦時代に日本軍から手に入れたものだったので、すでにぼろぼろになっていましたが、当時では贅沢品でした。

カメラを飯の種に選んだ最初の頃、報道写真への認識はとても甘いものでした。「絞り」や「シャッタースピード」ということさえ、まるで分かりませんでした。もっともこれはたいした問題ではなく、勉強しさえすれば身に付きます。本当の問題は報道という理念の理解にありました。

最初の授賞作品『町に現れた個人経営者』は19815月に撮ったものです。そのとき、民営経済、個人経営経済が始まったばかりで、「大碗茶(どんぶりに入れたお茶)」を売る若者が、お茶を心をこめて客に手渡している姿を撮りました。その写真説明に、「大碗茶」は北京の個人経営者が初めて市場に入ったシンボルだと、私は書いています。

幸いなことに、改革開放期にあたったので、写真業界の視野も次第に開かれてきました。私は多くの外国人カメラマンの作品を見ましたが、その中でも印象深かったのは、毛沢東逝去のときに外国人記者が撮った天安門広場の写真です。写真には「毛主席万歳」というスローガンが写っていますが、その「席」の字の真ん中に、半旗が掲げられたポールが写っています。このような簡単で客観的なシーンが人の心へ与える衝撃は非常に大きいのです。我々は数十年にわたって「万歳」と叫んできましたが、毛主席亡き後の中国がどうなるのか、誰も考えたことはありませんでした。あの半旗は、天が崩壊したような感覚をよく表現しています。

のちに私は突然悟りました。カメラは思想のない道具だけれども、報道カメラマンは思想が必要な職業です。事物に対する思考は、シャッターを押すよりも更に重要なことなのです。

30年間というもの、「大事件」が発生すると、私は何とか現場に出かけようと、さまざまな手を尽くしました。1984年の老山でのベトナム軍との衝突、1991年の華東地区の洪水、1997年の広西省国境付近での地雷撤去作業1998年の長江大洪水、2003年の「SARS」の流行、2008年の四川汶川大地震など、いろいろな危険を体験してきました。

2003年の春、私が「SARS」患者の病室に入ったとき、私の息子は6カ月でしかありませんでした。私は北京地壇病院で18日間にわたり、2000枚以上の写真を撮りました。

戦争や災害、疫病発生の状況を撮影するとき、内心に恐れがないとは言えません。1997年の広西省国境付近での地雷撤去作業2003年の北京地壇病院の「SARS」病室での撮影では、髪の毛が逆立つほどの驚きや恐れを感じました。現場と真相に対する崇拝と尊重の念が、私に恐れを克服させました。文章を記す記者は事後に訪れることもできますが、カメラマンは、現場に出ない限り何もできません。

1998年の長江の大洪水を撮影したとき、私は一人で写真を撮りながら、携帯電話で社に災害状況を報告していました。九江決壊の重大ニュースは禁令を破って中国青年新聞社の独占スクープとなり、のちに中国報道賞特別賞を受賞したのです。

 

 
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