中国画報の購読
中国画報社
のほかの刊行物
  • 本誌特別記事
映画の中に見られる9つの中国のシンボル
文/周瑾

パンダ Panda

 中国の唯一無二の国宝として、可愛いパンダの人気は高まる一方で、その人気は1972年から始められた一連の「パンダ外交」にも垣間見られる。訪中したニクソン大統領夫妻と共にアメリカに渡ったパンダは、空前のブームを引き起こした。ワシントンにある国立動物園は、年間平均300万人の観光客を引き寄せ、リンリンとシンシンは、ハリウッドのスーパースターにも劣らない待遇を受け、人々の注目を浴びた。

 欧米と日本には、パンダに関するドキュメンタリーやテレビ番組が数え切れないほどある。しかし、『カンフーパンダ』以前には、パンダを主役とする映画は少なかった。1995年に公開された、アメリカの子どもがパンダを守るストーリ『リトル・パンダの冒険The Amazing Panda Adventure)』の興行収入はわずか750万ドルだった。2001年に公開された、猟師の手からパンダを救い出したアメリカ女性をヒロインとした映画『パンダ・アドベンチャーChina:The Panda Adventure)』 の興行収入は678万ドルに過ぎなかった。この二つの映画と『カンフーパンダ』を同列に論じるわけにはいかない。ドリームワークスが大金を投資して製作し、多くのスーパースターが吹き替えを行ったこの映画は、疑いなく2008年に新しいパンダブームを引き起こした。アニメーション以上にパンダの可愛さを表現できる手段はないということなのだろうか。

中国料理 Chinese Food

 1850年に初めての中華レストランがアメリカでオープンして以来、アメリカにはすでにマクドナルドの2倍、5万軒ほどの中華レストランがあり、その従業員は30万人にものぼり、年間売上高は200億ドルに達する。ヨーロッパには、大小3万軒の中華レストランがあり、パリだけでも6000軒あるという。世界では、3軒のレストランのうち1軒は中華レストランだという人もいる。実は、中国の食べ物はカンフーよりも早く、より深く世界のいたるところに浸透している。しかし、数多くの中華レストランはその土地に溶け込むあまり、正真正銘の中華料理からかなり離れてしまっている。

 北京ダック、豚肉の煮込み、鍋料理、カニ入り饅頭、スベアリブの醤油煮など百点にものぼる中華料理が登場する『恋人たちの食卓』は、今までの中国のごちそうをモチーフにした映画のなかでも、もっともすぐれた映画だと言えよう。しかし、外国人が撮った映画に出てくる中華料理は、本場の中華とは似ても似つかぬものだったり、ごちそうの雰囲気にはほど遠いものだったりする。例えば『ペイバック』の中で、メル・ギブソンがテイクアウトの中華を食べている仲間とともにチャイナタウンを下見するとか、『ラッシュ・アワー』で、クリス・タッカーが注文した「ウナギの細切り炒め」が一見油っぽそうだったので、まずコックに文句を言ったが、食べてみて思わず「美味しい……」とつぶやいたところなどである。

 人気女優の章子怡(チャン・ツィイー)のボーイフレンドが、とても辛い「水煮魚」などの中華料理を食べてみせ、彼女の歓心を買おうとしたという、中華料理に関する最新のエピソードもある。

竜 China ragon

 アメリカの「ライブサイエンス」サイトが催したコンテストで、中国の竜(ドラゴン)が「もっとも人気が高い怪獣ベスト10」のなかに選ばれた。世界の竜文化の中でも、中国の竜は歴史がもっとも古くもっとも発達したものである。欧米の文化では、ドラゴンは邪悪を表し魔力をもつ動物と見なされているが、中国文化についての理解が深まるにつれ、李小竜(ブルース・リー)や成竜(ジャッキー・チェン)の名前に竜の字があることからも、欧米の人々は中国のシンボルとしての竜を認めるようになった。中国の竜について知るようになった映画配給元は、中国のカンフー映画を配給する時、ポスターやインターネットサイトに竜の絵をつけるのを慣習とするようになった。『ドラゴン・キングダム』の公式サイトのデザインはその一例である。

食べ物に意地汚く、滑稽で、細いひげ生やした竜のキャラクターが出てくる『花木蘭』、竜の影も姿も見えない『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』、そして『グリーン・デスティニー』などを除くと、ここ数年で、中国の竜をもっとも正面的に取り上げているのは、韓国の映画『D-WARS ディー・ウォーズ』だろう。ラストシーンの良い竜と悪い竜との対決は、映画のクライマックスであり、竜の形から見ると、東西対決という意味あいを含んでいるかのようである。

上海 Shanghai

 『ミッション:インポッシブル3』のヒロー、トム・クルーズは、アメリカ本部のよき友に助けを求めた時、友は彼に「何をしに上海に行ったんだ?」と聞いたが、実は、彼がいたのは浙江省嘉善県の西塘古鎮で、有名なこの観光地もその知名度は「上海」には及ばない。中国のシンボルとしての「上海」は言うまでもないだろう。これは、『青紅』という作品の英語名を『Shanghai Dreams (上海ドリーム) 』にした理由でもある。

 欧米の映画制作所が頻繁に上海ロケにきたため、「上海」は2008年の世界映画界で、もっともよく使われたキーワードの一つとなった。『ミッション:インポッシブル3』のヒローは、中国銀行の高層ビル屋上から極限を超えるジャンプをしたり、上海の街で大暴れしたりした。そのおかげで世界の人々は、繁華を極めた、イルミネーションが煌く幻のような現代的な上海を見ることができたのだ。 

チャイナ・コスチューム Traditional China Costumes

 チャイナドレスと言うと、やはり『花様年華』だろう。ヒロインのマギー・チャン(張曼玉)が着ていた23枚の美しい優雅なチャイナドレスは、欧米人を夢中にさせた。『スパイダー・マン2』の中でヒロインが着ていた真っ赤なチャイナドレスは、それを真似たものである。デザイナーは、中国のシンボルである2本の箸を彼女の髪に飾ることも忘れなかった。

兵馬俑 Terra-cotta Warriors

 古く、神秘的で、荘重で、いかめしく、驚異的……。「ピラミッドを見なければ、エジプトに行ったことにならない。兵馬俑を見なければ、中国に行ったとは言えない」とまで言われる。2007年、中国の秦代の兵馬俑が展覧され、イギリスでセンセーションを巻き起こした。『タイムズ』誌のサイトには、「ヒトラーがイギリスを攻撃しようとしたとき以来、これほどまでイギリス人の注目を引いた軍隊はなかった」という文章が載った。

 外国人にとって、「世界で八番目の奇跡」として有名な兵馬俑は、それがもつシンボル性は言うまでもないだろう。欧米の映画ではしばしば、億万長者の書斎や居間に兵馬俑の複製品が置かれているのが見られ、その美意識を表現している。兵馬俑に対する愛情表現はそれだけに止まらず、ある兵馬俑ファンのドイツ青年が、西安の兵馬俑一号坑に飛び込んで、兵馬俑に扮して立ち、パフォーマンスアートを行った。

漢字 Chinese Words

 あなたは、「希望」「栄誉」「運命」、あるいは「和平」「勇気」「笑声」という漢字を見て、すぐに関連する映画を思い浮かべることができるだろうか。「希望」「栄誉」「運命」は『Hero(英雄)』のアメリカのポスターに使われている漢字であり、「和平」「勇気」「笑声」は、『カンフーパンダ』の映画サイトに使われている漢字である。

 統計によると、現在世界で中国語を学んでいる人は、百数カ国約3000万人におよぶという。『Hero(英雄)』のポスターの大きい「剣」の字や、『グリーン・デスティニー』に登場する書は人々に深い印象を与えた。サブカルチャーで流行中の「刺青館」で、あるNBAスター選手が「忠」の字を首に彫ったというニュースもある。刺青では「愛」「天使」「竜」「神」「美」「気」などの漢字が、使用率がもっとも高い漢字である。漢字表記した西洋人の名前の刺青も一時流行した。

 

   <   1   2  

Relevant Stories
2008年中国映画の当たり年
Copyright by China Pictorial © 2000-2002 ALL RIGHTS RESERVED
Reproduction in whole or in part without permission is prohibited.

Director E-mail:xubu61@163.com
Add:33 Chegongzhuang Xilu, Haidian District, Beijing 100044, China
Questions, Comments, or Suggestions? Please send to:
cnpictorial@gmail.com