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今回の中国海軍護衛艦隊の総指揮を担当する杜景臣は、出航前に「私は今回の護衛任務遂行に対して自信を持っています」と語った。
今回の護衛に割り当てられた三隻の軍艦は、中国が自国で設計・製造したもので、優れた性能の武器が備えられており、今までの演習や遠洋巡航訓練などの重大な任務をりっぱに成し遂げ、全体として海上作戦能力が比較的強い艦である。海軍のデジタルネットワーク技術と艦載オートマティック指揮システムは成熟した応用階段に入っており、遠洋軍事行動を効果的に組織・指揮することができ、海上の自己防衛能力も大幅に向上している。
数十年間の発展を経て、中国海軍の遠洋航海の経験は豊かになっている。中国人民海軍のミサイル駆逐艦「合肥」号と総合補給船X615からなる特別混成艦隊が南アジア3国を訪問した1985年から、ミサイル駆逐艦「青島」号と総合補給船「太倉」号が太平洋、インド洋、大西洋を横断して世界一周航海を実現した2002年までの間に、中国海軍は各水域の水文地理状況を熟知し、遠洋航海の経験を積んできた。
海軍特殊部隊から選ばれた70数人の特別戦闘隊隊員は、今回の護衛艦隊の注目点である。謝増嶺指揮官の紹介によると、特別戦闘隊の隊員は任務を遂行するため、ソマリア海賊の規模や活動規律に対して専門的な研究を行って制圧作戦を作成し、艦艇に攀じ登ったり、射撃訓練を行ったり、多種の武器使用の練習をしたり、ヘリコプターを昇降させたりなどの専門的訓練を行った。
二重の授権による行動
2008年12月16日、国連安保理ソマリア海賊問題に関する閣僚会議は、ソマリア海賊の一掃に関する第1851号決議を採択した。決議によれば、ソマリア臨時政府の要請に応じて、安保理は即日関係国家と国際組織に授権し、12カ月以内に、ソマリア境内で「すべての必要な措置を採って、海賊行為と海上での武力ハイジャックを厳しく取り締まる」としている。
中国政法大学国際公法の李居遷博士は、各国が海賊を撃退するためには、「二重の授権」を獲得しなければならず、今回の中国軍艦のアデン湾・ソマリア海域への航海も例外ではなく、国連安保理の授権とソマリア政府の許可を受けて行った行動であると言う。
中国国防大学国際関係学院の教授で安全戦略専門家の孟祥青教授は、中国が軍艦をソマリア海域に海賊撃退のために派遣することは、国際法ばかりでなく国連が採択した関係決議にも符合し、海賊を撃退するのは、その地区の平和や世界の安定、海上通路の安全確保のためにも、重大な戦略的意義を持つと指摘した。
もっとも効果的な保護――交通部と海軍との協力
2008年12月25日、中華人民共和国交通部海事局は、『アデン湾とソマリア海域での中国船舶護衛航行申請に関する事項の公告』を発表した。2009年1月6日から、アデン湾とソマリア海域を航行する中国の船舶は、中国船主協会を通じて交通運輸部に護衛請求を行うことができる。
交通運輸部国際合作局成志局長によれば、今回中国海軍が護衛する対象は、中国の会社あるいは中国資本の会社の船舶で、国際連合食糧農業機関(FAO)などの人道的物質を運送する船舶も含まれる。
海軍の護衛行動は、中国船員の生命と中国の船舶運輸会社の資産保護のための国家的行為であり、護衛を受ける船舶や船主から費用を徴収することはないという。
現地時間1月6日午後11時、中国海軍の護衛艦隊はアデン湾・ソマリア海域に到着し、初めての護衛任務を遂行した。このとき護衛を受けた船舶は、中国商船の「哈尼河」号、「晋河」号、「河北翺翔」号、「観音」号であった。
中国海軍の護衛艦隊提供の情報によると、艦隊が護衛任務の海域に到着したのち、アデン湾とソマリア海域の東海域の主航路付近に、7カ所のパトロールゾーンを設けるとのことである。
海洋権益の保護は防衛的な国防政策を変えるものではない
中国の対外貿易額の97%は海上運輸によるものである。2020年には、中国の石油の六割は外国からの輸入に頼ることになる見込みであり、しかも輸送手段は主に海運である。海洋の安全は国家安全の重点領域となる。グロバール化が進むに連れて、海軍が国家の安全と経済利益を保護するのは、大国の特権ではなくなり、世界各国の普遍的な要求となった。
しかし、中国が海軍艦隊をソマリア海域に派遣して護衛活動を行うことは、国際社会の大きな反響を引き起こした。
中国は、ブルネイ、マレーシア、フィリピン、ベトナムなどの東南アジアの隣国と、南沙群島の主権問題を抱えている。しかし、フィリピン海軍総司令官ゴレツ中将は、今回の中国海軍艦隊のソマリア海域での護衛活動は、自国の利益を保障するための行動で、注目すべきことではあるが、フィリピンが心配するような問題は何も起こらないと語った。
インド戦略業務分析家バスカル氏は、「中国の今回のような行動は、国際社会の全体利益のためであり、現在のインド洋における海上軍事力のバランスを変えることはない」と認識してしる。
一方、まったく違った見方もある。アメリカのAP通信社は12月26日の紙面で「将来的に中国・アメリカの海軍競争が発生する可能性がある」という、ハワイ東方センターのあるベテラン学者の分析を引用した。
軍事専門家の陳舟氏は、中国が軍事力を海外に派遣して国家利益を守ることは、決して中国が海外での軍事拡張を求めていることではないと語る。
『世界軍事』雑誌の陳虎編集長は、このように記している。「発展途上国である中国の海軍は、一部の人が言うような大きな脅威ではない。現在直面している任務は、更なる発展のための力を蓄え、中国の国家利益をさらによく保護し、より多くの国際的義務を担って世界平和に貢献するために、中国海軍が受けている試練のひとつなのである。」