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上海市民から見る万博
文と写真/唐 濤

コミュニティー:高まる万博への情熱

 上海市区の行政区画図を開くと、万博ゾーンの周りには5つの街道弁事所(コミュニティー)があり、浦西の盧湾区五里橋はその一つである。管轄面積が3平方キロメートルあまりのこのコミュニティーには、0.69平方キロメートルが万博展覧用地、0.84平方キロメートルが万博サービス用地として予定されている。

 万博が上海で開催されることが決まってから、いまだかつてない変化が五里橋コミュニティーで起こっていると、役員の沈涓は五里橋街道弁事所のオフィスで教えてくれた。例えば、住宅の平らな屋根を勾配のある屋根に改築する、緑地にある植物を植え直し、緑地景観のデザインを見直す、公園を拡大する、古いインフラ施設を整備する、よい水質を保つため水道管の清掃・修理を行う、エアコンの排水パイプの統一的据付を行うなどの一連の民生改善措置が採られ、コミュニティーの環境は、より清潔で美しくなった。

 上海市の新しい都市管理システムによるテスト地区として、五里橋は明らかな地理的・産業的なメリットを持つばかりでなく、他に代えがたい対外交流のメリットを持っている。昨年上海で行われたスペシャルオリンピック、「上海一日」などの対外交流のイベントで、海外からやってきた外国人は、五里橋の住民の家でホームステイを体験した。万博を控えて、五里橋コミュニティーは、外国人観光客が普通の上海市民の生活を体験するもってこいの場所となるだろう。

万博が近づくにつれて、五里橋の住民の情熱もしだいに熱さを増してきた。コミュニティーの広場では、住民たちが自ら組織した万博歓迎の演芸会が行われた。区内にある万博マスコットの周りで子どもたちは遊んでいる。住民たちは、それぞれの方法で万博を迎えようとしている。上海万博を迎えるために、コミュニティー中は楽しさと期待に満ち溢れている。

万博は一部の住民に、楽しみばかりでなく悲しみももたらした。万博のために立ち退きを余儀なくされた住民たちは、親しく付き合っていた隣近所と別れを惜しんだ。関係者の紹介によると、上海市は、万博の建設工事のために立ち退いた市民に、現金での補償を実施したという。つまり、補償金で住民は上海の同じような住宅区で同じ面積のマンションを買え、おつりも来るくらいであった。また、期限通りに立ち退きした重病患者の住民に、住宅面積の追加や奨励金付与も実施された。

立ち退きした住民には、3種類の選択肢があった。それは、政府が立ち退き世帯のために建設した新しい住宅団地に引っ越すこと、または、補償金で上海のほかの住宅区でマンションを買うこと、あるいはすでに市内に別の住宅を持つ一部の住民は、相当な補償金をもらえることである。現在、万博建設工事に関係する立ち退きはほぼ完了している。

時期と地域によって立ち退きの補償基準はやや異なる。五里橋街道コミュニティーの補償基準は、一平方メートルあたり2万元で、これはほとんどの住民が満足する金額である。「万博の建設工事で立ち退いた世帯は、元の住宅面積から4割か5割増しの住宅を手に入れています。元々1DKだった世帯は同じような住宅区で2DKのマンションを買えたはずです」と、五里橋の住民周福林は言った。周福林の家は、万博ゾーンに近い高層住宅にあり、立ち退き対象ではなく、やや悔しく感じている。しかし、彼が嬉しいことに、地下鉄13号線の万博園駅の出口が家の近くに設けられ、周りの環境が日増しに美しくなり、家から万博ゾーンを眺めることができる。

万博コレクションに熱心な民間のコレクター

数十枚の古いバッジ、一人の白髪の年寄り。万博事務局に遠くない上海浦東南路のある家に住む、万博記念品の上海人コレクターは、上海と万博との絆を固く結ぶものでもある。

定年退職したシニアエンジニアである唐徳順は、ここ数年、万博バッジのコレクションに夢中になっている。万博品収集のきっかけを聞かれると、彼は誇らしげに言った。改革開放によって、中国の国力は強められ、国際的な地位も迅速に高まった。数年前から彼は中国のオリンピック開催と万博の誘致は早かれ遅かれ実現すると考えていた。15年前から、彼は歴代の万博メダルとバッジのコレクションを始めた。現在、彼のコレクションには、1851年の初回のロンドン万博を含めた27回、50種類近くのメダルとバッジがある。上海のバッジコレクターの中で、彼の名を知らぬ者はいない。

万博コレクションにこだわる人は、唐徳順一人だけではない。上海万博の開催がカウントダウンに入った際に、上海浦東新区コレクション協会で催された「万博遺珍」展覧会は、メトロポリスである上海の古い記憶を蘇らせ、上海の民間から出品された数百点のコレクションが、上海と万博との深い縁を実証した。

浦東コレクション協会の馮建忠の紹介によると、上海が万博を招致している期間、協会の民間コレクターたちは、万博コレクションに注目し始め、各ルートを通じて国内外の珍品を集めており、すでに数千点の万博珍品を収集している。そのなかには、1851年初回のロンドン万博のメダル、1878年に出版された李圭が記した『環遊地球新録』、1915年アメリカ・サンフランシスコ万博に出品された急須、同年の上海商人の出品目録など万博の貴重な史料、そして国産の美華麗時計や都錦生緞子、華生マークの扇風機、張小泉のはさみ、上海盛錫福の礼帽など一連の展示品と受賞した品々がある。ぞくぞくと現れた各種の貴重な万博展覧品は、民族の知恵、中国と万博との関係を語ると同時に、間もなく開かれる万博に対する市民の情熱も語っている。

1851年から1940年まで万博に出品された中国の貴重な文物は、中国民族工業発展の道のりを示しているばかりでなく、現代上海の人々の万博に対する情熱と祝福も凝縮しており、上海の民間コレクターたちが前もって2010年上海万博に捧げた価値のある贈り物となっている。

 

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