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北京から南へ500キロメートルのところに千年の古都といわれる河南省安陽がある。ここでは中国の漢字の源といわれる甲骨文のほかに、現時点で世界最大の青銅器「司母戊鼎」が出土した。またここは中国で最初の書物といわれる『周易』の生まれた土地である。さらに、この歴史・文化観光で有名なところは、エコツアーにもってこいの場所でもある。
長く延々と伸びている太行山は、中国北方の河北・山西・河南三省にまたがり、青い巨竜のようである。安陽にあるその部分は林慮山と言われ、景色が最も美しい。中国の山の風景は「北は雄大で南は美しい」といわれる。林慮山は北方の雄大な山岳風景の代表とされる。景勝区内の独特な自然景観と人文景観が一体となり、5世紀にはすでに著名な観光地であった。長い年月にわたって青い山水と新鮮な空気を保持しており、近年、ここには国際パラグライダースポーツ基地も設立された。
林慮山太行大峡谷は長さ50キロメートルである。何億年も前、地殻の激しい変動によって、ここの独特な地形が形成された。幾重にも重なる山々、切り立つ岩、美しい谷や森林、古跡など400あまりの景勝地を形成している。
谷間には「三大奇観」がある。厳冬の季節、太行山の中腹にある桃花谷の桃の花が満開となる。また、峡谷の中にある「氷氷背」も自然の季節変化に反した奇観である。ここは冬暖かく夏涼しい。毎年冬が去って春が来る時、氷が張り始め、8月を過ぎてから、その氷が解け始める。氷期の最盛期は地元の真夏に当たる。真冬になると、ここの水は温かくなり、水草が生い茂る。もう一つの奇観は「荒山の予言者」と呼ばれる「猪(ブタ)叫石」である。「猪叫石」は周囲を山々に囲まれ、そのてっぺんには険しい崖が垂れ下がっている。その崖は赤紫色で、整った形をしており、頭は西へ尻は東に向いていて、その先端は山崖の下の土の中に刺さっている。地面に4立方メートルが露出している。伝説によれば、「猪叫石」は天下に大事が起こるとき、ブタがその中を走りながら叫んでいるような音を出すという。生命のないはずの石が山中の住民によって霊を持っているかのように語られ、多くの人が好奇心に誘われてこの石を見に来る。この音がなぜ鳴るかは、今でも謎のままである。
名山には美しい山水がある。滝がいたるところにあって、あるものは山にそって幾重にも重なり、あるものは獅子のごとくに荒れ狂って、崖を流れ下る。最も有名なものはアジア一の高度差を誇る346メートルの桃花潭瀑布である。滝が動き流れるものだとしたら、太行平湖は一面の鏡のようである。まれに舟によってつくられた波紋が玉のように青い水面に立つが、すぐに跡形もなく消えてしまう。また、もう1つの名物、林慮山の雲海を眺めると、まるで仙界に身を置いているような感じがする。