| 中国画報の購読 |



下梅に何日か滞在するうちに、しだいにお茶の楽しみを知った。ひまなときはいつでも手に一杯の武夷岩茶をもち、ふくよかな茶の香りが白い器のなかに広がり、たちのぼってくるのを楽しむ。ここの人々はお茶にはうるさく、三本の指でしっかりと杯をつかむことを、「三頭の竜が鼎を護る」というしゃれた呼び方でよんでいる。
ずっと同じ場所に滞在していたため、村に伝わる伝説をいくつか耳にした。伝説は神秘的なものだったが、下梅村の歴史を生き生きとしたものとしてくれた。この地でもっともよく知られる伝説は、鄒茂章の出世物語で、彼は若い頃は家が貧しく、あらゆるところではした仕事をして生活していた。彼が崇安県にやってきたとき、飢えと渇きが耐えがたくなり、一株の梅の花の下に倒れるようにして寝てしまった。夢のなかで彼は仙人の住むような村にいて、そこには小さな小川が流れ、両岸には梅の花が咲き乱れていた。目をさましたのち長老に聞くと、夢に出てきた場所は武夷山の下梅村ではないかという。
のちに鄒茂章は下梅村をさがしあて、ここでお金持ちの家に仕えていた小間使いに出会い、彼女は主人の家からこっそりと金を失敬して鄒家に嫁ぎ、彼はこれを元手に商売を始めてとうとう大商人にまでなった。鄒氏のような運には私は一生縁がないだろうが、下梅村から離れたのちも、夢のなかでこの梅の花が咲く村に帰って来たいものだと思うのであった。
旅行のアドバイス
一、交通
下梅村は福建省武夷山市から東に6キロ、武夷山風景区から8キロのところにある。飛行機または鉄道で武夷山市に着いた後は、公共バスがないので旅行会社の車などで送り迎えしてもらう。個人旅行客は毎日下梅村と市区を行き来するバンを待つ。時間は決まっておらず、5人集まれば発車して一人4元。車をチャーターするならば20元前後である。
二、宿
下梅村には現在宿泊施設は仙美酒店のひとつしかない。ホテルは清潔で整っており、スタンダートルームが50元で、三階のテラスからは下梅村の全景が一望できる。
三、おすすめ料理
カシタケと鴨の煮込み料理、紅酒の糟漬けカラシ菜、青唐辛子とイノシシの炒め物、川の小魚の揚げ物、新鮮なタケノコあるいは黒筍の炒め物、自家製の楊梅酒など