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上記のような憂慮すべき問題があるにもかかわらず、私は道中ずっと、アルプスの澄んだ渓流に圧倒されていた。スロヴェニアのソチャ川で私たちは水に触れ合った。ゴムボートで川下りをしたのである。ソチャ川は青く澄んだ水であるため、現地で「エメラルドの美しさ」とたたえられている。我々がひんやりとした川の中に飛び込むと、アルプスの「エメラルド」の温度を感じた。
オーストリアのドラーヴァ川渓谷では、主催者はわれわれに川の流れを自然に戻すプロジェクトを紹介してくれた。川岸には多くの緑の植物や潅木が植えられ、水の浸蝕に対抗させ、岸辺を自然な状態に戻すのである。もし自らの目で確かめたのでなければ、目の前の野趣にあふれた川岸の風景が人が心をつくして作り上げたものだとは信じられないであろう。これには心の底から敬服の念を覚えた。
イタリアでは、渡し舟に乗り、静かなリゾート地バレーナからメナジオまで渡った。途中、コモ湖を観光する。渡り船を待っているときに、みんながハリウッドスターのジョージ・クルーニーがこの湖畔の別荘を買ったと話していた。そして船に乗ったとき、ちょうどマイケル・ジャクソンの訃報を聞いた。
持続可能なエネルギー源を使った交通手段
我々がドイツのインメンシュタットに着いたとき、現地役所の熱烈な歓迎をうけた。そのなかで一人の青年が二輪直立型電動車で私たちの目の前までやってきて、大声で挨拶した。この種の電動車は北京2008年オリンピックで中国の安全警備の警察官たちが新装備していたものである。市役所の小さな広場には各種の持続可能なエネルギー源を動力とした交通器具が並んでいた。おもに蓄電池によるものである。エネルギー源と機動性は今回の広いテーマのうちの一つで、持続可能なエネルギー源を使った交通手段の研究・開発と普及は今後ますます重要なものとなってゆく。現在、電動自転車・電動車はすでにヨーロッパ国家では実用段階にはいっている。
途中、ロシアの記者が怪我をして帰国を余儀なくされた。彼は私にこのように頼んだ。「レイ、たくさん写真をとってくれ。あなたの写真が私の記憶になるんだから!」彼が帰国後、モスクワからみんなに送ってくれた手紙のなかにこのようなことが書いてあった。「私は今回ゴールまでたどり着けなかった。でも、私は今までいろんな国に行ったけど、そのなかでも今回の旅がもっとも素晴らしいものだったと断言するのを、信じてくれ!」