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劉姝威 :書斎に居てはわからない、農民が必要としているもの
文 趙菲

 

商品意識が農村に進出

 生活改善のためには、強力な経済的実力がその後ろ盾として必要だ。全村65戸の農民が豊かになり、南就水の人々の収入をいかに引き上げるか、これは南就村の発展の最も根本的な問題となる。経済学の専門家として姝威はいかに自分の努力によって村を富ますことができるか、更なる関心をもった。調査・研究をへて、彼女はここの原始的生態と自然環境がとてもクルミの木を植えるのに適していることを発見した。しかし2・3年前、村民は科学的・技術的知識の欠如のため、クルミの木の偽物の苗を買ってしまい、そのため10株のうち5株も育たずに、大きな損失を受けたことがある。

 そのため、姝威は中国農業大学の果樹専門家賈克功教授に頼み、教授自ら農民のために8000株の良質の苗を選んでもらい、1株9元の値段で農民に売った。

しかし、村民は姝威が考えたようにこの木の苗を喜んで買わなかった。村長の孫能建によると、みないろいろ考えすぎて買えないのだという。まず偽の苗をつかまされておじけづいる。次に、これはいい苗なので価格が高く、大きな投資となり、リスクが高いと感じているという。時間は押し迫っている。4月上旬に苗を植えなければ、時期を逃してしまう。このため姝威は、彼女がお金を払い村民に苗を買ってあげ、クルミの木が大きくなって実ったら、農民はクルミを姝威に払うことで苗代とする、とした。このようにしたら農民はたちまちこの苗に食らいついてきた。

しかし、姝威は簡単な口約束だけで農民に苗を譲ったわけではない。彼女は正式に各農民と一株の苗ごとに彼女が7元、農民が2元を払うという契約を交わした。契約を交わすことで農民に商品意識を身に付けてもらい、単に貧しいものを助けるだけでなく「魚を与えるより漁のやり方を教える」方法をとったのだと、姝威は記者に語った。同時に彼女はこれらの過程のなかで、信用意識を農民に植え付け、引き受けたことは必ず実行に移すということを身に付けてほしいと考えていた。

想定外の災害が次々に

今年の6月、クルミの苗も順調に成長し、成長率は99%までに達した。まだ収穫の時期は来ていないが、すでに果実がたわわと実っている木もあり、姝威は慰めを感じた。しかし思いもよらぬことに、リスが南就水村に最大の災害をもたらした。姝威は自らの目でリスがクルミの木一本まるまるなっていた実を食べつくしてしまったのを見た。リスの繁殖力は非常に強く、1年に5・6回、1回に10匹近く子を産み、それも穴があるところどこでも住処とする。クリやクルミがなると、リスはそれを叩きおとして冬の食糧としてためておく。南就水の山では農民は10分の1の収穫物しか手に入れることはできず、残りはみなリスに持っていかれてしまう。このため、姝威は中国科学院動物研究所の専門家自ら「リス捕獲」のために来てもらうように連絡を入れた。

7月、姝威はさらにやっかいな問題に直面した。1カ月前には順調だった苗が突然半分近く枯れてしまったのである。ずっと冷静沈着だった姝威もさすがに頭に血がのぼった。南就水村では6月末からずっと雨が降らず、53年以来の旱魃となっていた。となりの県の町では大雨がふっているのに、村には何滴かの雨が降るのみで、村人は打つ手もなく、黄色くなって枯れてゆく木をただ見ているしかなかった。姝威は専門家に助けを求めた。中国気象局の気象予測室の主任いわく、8月には石家庄以南に雨が降る見込みで、邢台地区でも10日以内に90ミリ以上の雨が降るだろうとのことである。中国農業大学の賈克功教授はすぐさま灌漑用水をためるための穴を掘るようにとアドバイスした。

現在、南就水村のリス問題は、中国科学院動物研究所の専門家に解決をゆだねており、旱魃も問題が軽くなってきていて、困難は過ぎ去ったかのように見える。しかし、農村では、たとえばトイレ問題、リス問題、旱魃問題などさらに多くの予測不可能な問題が彼女を待ち受けている。これらの問題はすべて書斎にいては思いつきもしないことではあるが、彼女は村民とともに一歩一歩解決の道を歩んでいる。一人の知識人として、書斎のなかでは農民について理解することはできない。現代の中国農村の真実の状況を知りたければ、新農村建設の実践に身を投じるよりほかはない、と彼女は語る。

 

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