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美しいアラシャン 神秘的なオルンブラガ
文と写真/陳 建

中華人民共和国の地図の上部には、北東、華北、北西を跨る細長い区域があり、羽ばたく逞しいタカ、頭をもたげ飛ぶように走る駿馬のような形をしている。これが、広々とした美しく豊かな蒙古自治区である。ここは、バラエティーに富む民族色を持つ地方であり、草原、古跡、砂漠、湖沼、森林、民俗の「六大奇観」がユニークな観光景観をつくりあげ、北国の情趣に豊む地方である。

 モンゴル語でアラシャンは、「野生の駿馬」の意である。アラシャン盟(県)は内蒙古自治区の西の端にあり、平均海抜は8001400メートル。バタインジャラン、テングリ、ウランブホの三大砂漠が県内を貫いており、面積は約78万平方キロである。人類発祥の地の一つであるアラシャン地区には、数万年前の旧石器時代に人類が活動していた足跡が残されている。6000年前のマンドラ山の岩絵は、古人類がアラシャン地区で生活していたようすを生き生きと描いている。世界に注目されるカラホト(黒水城)遺跡は、かつて漢・唐、西夏、元の重要な軍事拠点であり、シルクロードの要所であった。唐代の有名な詩人王維とイタリア人旅行家マルコ・ポーロはともにここに滞在し、美しい詩歌を残した。エチナ(額済納)のエチナ川(弱水)の河畔、霧にかすんだ居延海の湖畔は、蘇武(漢代の忠臣)が匈奴に囚われていたとき、18年間羊の放牧をして暮らしていた場所と伝えられている。

 モンゴル語のオルンブラガ(敖倫布拉格)は、「泉が多いところ」という意味で、内蒙古のアラシャン左旗の北東部にあり、東は黄河流域の河套平原、西はアラシャン草原、北はインシャン山脈に連なる。総面積は4789平方キロで、そのなかには砂漠、湖沼、丘陵、平原などがある。西部夢幻大峡谷はアラシャン左旗オルンブラガ境内にあり、バヤンノール市磴口県まで60キロ、バヤンホトまで約300キロのところにある。

 全長5キロのオルンブラガ西部夢幻大峡谷には、雅丹地形(風食地形の一種)と丹霞地形(砕屑岩の赤色断崖を特徴にする地形)がともにあり、百万年にわたる地形変化と地質進化を記録しており、風力と地質の相互作用によってここの砂漠、すなわちゴビ砂漠を主体とした地質景観を作り出した。

 乾燥地帯に属するアラシャン地区では、風力は地形の形成に特殊な意義を持っている。河川の沈積物がつくった地層は、風化作用、水や風による侵食作用によって、風向きにそって、台地と谷が規則正しく並ぶ地形を形成した。長年にわたる風と水の侵食によって、谷間の幅は広くなり、台地は次第に島の形となり、さらに石柱あるいは石台へと変わった。西部夢幻大峡谷の驚異的な「人根峰」は、こうしてできた乾燥地区の特殊な地形の一種である。

 丹霞地形は西部夢幻大峡谷に果てしない赤褐色のべールをかけている。西部夢幻大峡谷の地質構造は、今から約7~9千万年前の白亜紀末期に形成された赤色の砂利岩で、すなわちジュラ紀から第三紀氷河期にかけてできた水平あるいは緩やかな傾斜をもつ赤色地層である。赤い酸化鉄、堅くて厚い砂利と砂石からなるこの地層は、河川に浸蝕されて多くの断層と節理ができている。

 今から2300万年に始まったヒマラヤ造山活動は、アラシャン地区を急速に持ち上げた。長い歳月の間に断続的に起きた上昇作用によって、アラシャン地区の地形には天地をくつがえすような変化が起きた。水の侵食、風化、崩壊などの総合的な地質作用によって、赤い岩壁、四角い山、石壁、石峰、石柱、峡谷、坑道、岩穴など神業のような地形が現れ、驚異的な夢幻大峡谷を創りあげた。国内外の観光客に「中国のコロラド大峡谷」と称えられている。

 峡谷には、七彩神山、人根峰、母門洞、石駱駝など多くの珍しい見所があり、観光関係者に、「中国最後の秘境」「芸術家のインスピレーションの源」「西部夢幻峡谷」「性トーテムの旅」などと讃えられている。

 

 

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