中国画報の購読
中国画報社
のほかの刊行物
  • 生活スタイル
思い出を守る絵筆
文 丁文蕾 趙 月 写真 江 華

大きい鍋に入ったご飯』。

『太陽に向いたひまわり』。

『ザクロの木』。

『田を耕す』。

あるテレビ番組で、70歳の農村のおばあさんが、自分の描いた絵画『ひまわり』とオランダの画家フィンセントファンゴッホの『ひまわり』を並べて置いて、「私に言わせれば、ファンゴッホのひまわりより私の絵の方が上手です。ひまわりは花瓶に挿してはいけません。水と土がなければ枯れてしまいます」と、挑みかかるように語っていた。

中国のインターネット上で「ゴッホおばあちゃん」と呼ばれている中国の農村のおばあさん常秀峰という名である。

5年前、常秀峰は河南の農村から広州在住の息子の家にやって来た。ある春の日の午後、彼女は孫娘の頼みに応じて人生で初めてクレヨンを握った。彼女はわずか数筆でふるさとのさんざしの木を何本か描きあげた。それからというもの、文字を知らない常秀峰はこのような方法で3歳の孫娘のさまざまな農村に関する質問に答えてきた。

70歳近い常秀峰のクレヨンを持つ手は、依然として敏捷である。思い出の扉が開かれると、すぐ紙が絢爛たる色彩に溢れた。ある日、美術編集に関わっている息子の嫁が彼女の絵を発見し、自分で丁寧に製本して、友人に見せた。その後、息子の江華がそれらの絵を自分のブログにのせ、インターネットとメディアの注目を浴びた。彼女の『熟したひまわり』という絵のため、常秀峰はインターネット上でゴッホおばあちゃん」という名称で親しまれている

常秀峰は鮮やかな色彩、稚拙なタッチで農村の景色を描いており、多くの人に好まれている。多くの人はその絵の中に表現された農村に深い懐かしみを覚える。中国の都市化が加速するにしたがって、多くの新世代の移民が生み出された。そして常秀峰の描く草花、樹木、動物、村々が人々の心の中に強い郷愁を呼び起こしたのだ。

20096月、中信出版社はゴッホおばあちゃんの世界を出版し、江華が母の絵に文章を添え、広州で絵を描く母親の日々のことや絵の中で表現された昔の話を綴った。「これらの絵画は個人にとっての静かな村の歴史にすぎませんが、農村に生まれ育ち今都市で生活している多くの人にとって、それは彼らの失われた子供時代、姿がまったく変わってしまったふるさとなのです」と、この本の企画者である陳墾は語る。

1   2   3   >  

Copyright by China Pictorial © 2000-2002 ALL RIGHTS RESERVED
Reproduction in whole or in part without permission is prohibited.

Director E-mail:xubu61@163.com
Add:33 Chegongzhuang Xilu, Haidian District, Beijing 100044, China
Questions, Comments, or Suggestions? Please send to:
cnpictorial@gmail.com