| 中国画報の購読 |



空の白雲は変化に富み、往々として人々に美しい連想をもたらす。中国の古代の人々にとって、神仙とは魔術を使って空中を飛ぶことのできる者で、雲は神仙たちの身分証のようなものである。中国の中部に位置する河南省の雲台山は、山が高く峻険で、切り立った絶壁にはしばしば白雲がたちこめ、いかにも神仙が住んでいるところのようであるため、雲台山という名がつけられた。ここには峡谷があり、滝が落ち、景色がすぐれているため、一年中観光客の姿が絶えることがない。山には湖や渓流があって、暑い夏でも涼しさが心にしみる。




雲台山はすばらしい山と水で知られている。景勝区には、断崖絶壁が連なり、主峰の朱萸峰は海抜1308メートルである。石の階段に沿って朱萸峰に登って周りを眺めると、北には太行山脈が延々と続き、南には肥沃な平野が果てしなく広がっている。雲台山の水系も発達しており、昔から「三歩に一つの泉、五歩に一つの滝、十歩に一つの淵」と言われている。
雲台山でもっとも美しいのは紅石峡である。
2007年、雲台山景勝区はアメリカ·コロラド州のグランド・キャニオン国立公園と姉妹関係を結び、双方は公園の管理パターン、景勝区の計画、環境保護などの方面について交流・提携を行っている。実は、アメリカのグランド・キャニオンと比べると、雲台山の深さはその三分の一しかなく、長さも十分の一にもならない。しかし、雲台山はべつの特色を持ち、紅石峡はそのもっとも代表的な峡谷である。地質学者の研究によると、紅石峡は10数億年前の地殻活動の中の数回の造山運動で、石英砂岩を含んだ岩石が圧迫され押し上げられてできた。その岩石には鉄鉱物が多く含まれていたため、長期にわたって空気中の水分によって酸化し、次第に赤色に変わって、今の赤い崖と緑の川という景観がうまれたという。
狭い山道に沿って山を下りると、山道は間もなく細長い桟道になり、切り立った岩壁にへばりつくように延びている。ここは1億年前の地質活動によってできた断層であり、雲台山全体の造山運動の縮図である。峡谷に立って空を仰げば、両側の山はほぼ一体になっていて、空は細い線状にわずかに見えるだけである。さらに峡谷を進むと、突然、神業のような2つの穴があいた石橋が現れ、紺碧の川の水がその穴から抜け落ちていて、人は無事に橋を渡ることができる。この天然の石橋は紅石峡のもっとも魅力的な景色である。地元の伝説によると、これは仙人たちが神業で造った橋で、橋を渡れば普通の人でも仙人になれるという。
雲台山をさらに奥深く進むと、泉瀑峡に着く。峡谷の突き当たりに、高く聳えている山の頂から幅広い瀑布が勢いよく飛びちり、壮大な景色である。これが高さ314メートルの「雲台天瀑」であり、中国で落差がもっとも大きい滝の一つである。
雲台山の地形は複雑で、気候は海抜や山の形によって明らかに異なり、動植物もバリエーションに富んでいる。昔から重要な漢方薬の生産地であり、今日にいたっても200種あまりの漢方薬が採れる。唐代に薬王とよばれた孫思邈が、かつてここで生薬を採って丹薬を練り、そして丹薬を飲んで天に昇った物語はいまでも地元に語り継がれている。
ここの自然環境は実にさまざまな動植物の生存に適応している。2002年、雲台山の子房湖で桃花クラゲが発見された。桃花クラゲは地球上でもっとも原始的で最下等の無脊椎動物の一つであり、5億年前から生きているもので、よい水質の中でないと生きることができない。今回の発見は、中国黄河以北地区で初めてである。清い澄み切った湖水で泳ぐ数百匹の桃花クラゲが、あたかも一つ一つの傘のようで美しくユニークな景観となっている。獼猴谷には、野生のアカゲザルの群れが生息しており、観光客は真近にアカゲザルと接触することができ、子どもたちをよろこばせている。
雲台山の観光業の発展に従い、もっとも利益を受けたのは、その近くに住む村民だろう。昔、彼らは植えた果物や山の幸などを現金に換えるために、遥か遠くの町に行っていたが、遠くまでいっても高く売れなかった。しかし今は、観光客が絶えずやってきて、果物などを門前に置いておけば、買い物客が訪ねてくる。観光局の統一計画と管理の下で、地元の農民たちは特色ある宿屋を営み、農民の収入は大きくアップした。
ここ数年、雲台山は国家の重点景勝区、国家5A級景勝区、国家地質公園、国家森林公園、国家水利風景名勝区、国家アカゲザル自然保護区となり、しかも2004年2月にフランスで行われたユネスコ世界ジオパーク会議で、初回の世界ジオパークに認定された。