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中国でもっとも遅く日が沈む場所
文と写真 孫啓江 鄭欣

 中国の地図のイメージを一匹の雄鶏とたとえたなら、雄鶏の尻尾の部分がまさに新疆ウイグル自治区の温泉県である。ここは中国でもっとも遅く日が沈む場所でもある。北京では夜11時といえばとっくの昔に日が落ちている時間だが、ここでは太陽は沈んだばかりである。

 温泉県は新疆ボルタラ・モンゴル自治州西部にあり、南はイリ地方で北はカザフスタンに国境を接しており、総面積は5900平方キロメートルである。神秘的な山に聖なる水、西域の都」とよばれる西北の小さな県で、地図の上では一枚の芭蕉の葉のようで、県の西・南・北の三面を山に囲まれ、綿々と続くアラトー山とビエチェンタオ山に縁取られており、そのなかをボルタラ川とオドクサール川が流れゆき、二すじの葉脈となっている。

 温泉県とカザフスタンの国境線は276キロである。全県の人口は7万人あまりで、県都に常住しているのは1万人にも満たない。ここの人々は静かに、そして豊かに暮らしている。

 温泉県は地熱資源が多く、全国で唯一の「温泉」という名が冠された県である。県でもっとも有名な温泉はボガダール温泉、オドクル温泉、アルシャティ温泉で、それぞれ「聖泉」「天泉」「仙泉」と呼ばれている。温泉のなかにはヨード、イオウ、リンなど多くの鉱物質が含まれ、水質はなめらかで、温度は平均4262度くらいである。皮膚病に効き、いつも入っていると、関節炎や気管支炎、高血圧、胃の病気、眼の病気、不妊症などに効果があるという。 

 温泉県の自然は美しく、美しい川だけでなく、花や草が生い茂るミアールチク草原、雄大で壮麗なナイレンサラ滝、さらに川と森からなる森林公園とテント式の休暇村やオルドス風情園がある。

 ここには、恐竜と同時代の大変珍しい、絶滅の危機に瀕した動物である中国新疆北サンショウウオが生息している。3、4億年がたち、恐竜はすでに絶滅して化石となっているが、このサンショウウオはまだ生存し続けており、その生命力の強さには驚嘆させられる。現在、中国新疆北サンショウウオはたった何千匹しか残っていないという。この生きた化石は、希少野生動物として国際的に保護されている。

 温泉県には歴史的名所も61カ所残っており、そのなかで古墓は31カ所、岩絵が9カ所、ストーンサークルが4カ所、古寺遺跡が2カ所ある。幸いにも私は、有名な文化遺跡である石頭城、草原の石人、古墓群などを撮影するチャンスを得た。奇妙な形をした石が花の咲き乱れる草原の上に散在しており、とても神秘的であった。最も神秘的であったのは、「母親石」「鷹嘴石」で、巨大で形が変わっているだけでなく、伝説の中ような霊気に満ちていた。最も魅力的なのは、その岩には多くの岩絵があることで、その刻まれた線はたいして深くないがくっきりと見えており、それらは放牧と狩猟の場面だけでなく、解読できない原始的な記号のようなものが記されているという。

 

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