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都市の洗顔屋さん
文 彭欣  写真 周超

 

「今までの経験からすると、今日はいけそうだ」。

50キロの荷物を担ぎ、315段の階段を下り、暗い中を5分歩く。

歯磨き粉は五種類。

お客の細かい注文にも応え、

歯ブラシは28種類。

今日はなかなか儲かるぞ。

 

2010年1月17日日曜日、今年の冬のもっとも寒い時期だ。明け方3時、武漢の漢正街の集稼嘴バスターミナル前の夜明け前の風は、骨に突き刺さるようである。黄色い街灯がパラパラとバスターミナルから出てくる旅行客を照らし出している。昼間はにぎやかなこの街も、人の呼吸の音や足音までが聞こえるほどに静まりかえっている。一般的には中国では旧正月前が一番忙しい。だから、漢正街近くの洗顔屋さんは、このときを狙って洗面用具を抱えてやってくる。今までの経験によると、多くの商人が春節前に武漢に品物を仕入れにやってくるので、洗顔屋さんも、何十元かの稼ぎをひそかに期待している

早起き

趙雲香は武漢の春街小夾社区聖源大厦1棟に住んでいて、漢正街にとても近い。夜の三時、趙雲香姉妹は身支度をととのえ、家を出る準備をすませていた。

50キロあまりの重さのふたつの大きな麻袋をひとつにまとめ、趙雲香は肩の上に担いだ。趙雲鳳は片手に折りたたみ机を下げ、片手にタオルを下げて彼女のあとについてゆく。ビルのエレベーターは使用するとお金を取られるので、夜は使わない。ビルの階段は暗く、音に反応して着く灯りが彼らの歩みとともについたり消えたりしている。それにもかかわらず、彼女たちの歩みは変わらない。「この階段を十何年も歩いてきました。何年か前には灯りがなく、真っ暗ななか、ライターをつけて歩いていたものです。彼女の16階だが、4階まで降りた後、趙雲香はとくに注意深くなった。「4階以上の階段にはひとつの階段に10段あるのですが、4階以下は13段か12段になっているんです。そのせいで何度も足をくじいたので、注意するようになりました」。5分かけて彼女たちは315段の階段を降りきった。

荷物を担いで聖源大厦の向かいにある集稼嘴バスターミナルに着くと、趙雲香は忙しそうに店の準備を始めた。武漢の漢正街は集稼嘴バスターミナルからのびている、武漢でも最も古い通りのひとつで、500年の歴史がある。趙雲香と彼女の仲間たちによると、彼女らの顧客は大部分が湖北省やその周辺地区から、夜行長距離バスにのって漢正街に仕入れにやってくる商人である。長旅ののち、車から降りて顔を洗い、歯を磨き、さわやかになって疲労を回復させる。かつて、漢正街駅付近には歯磨き用品やお湯を売る屋台が最も多いときで120ほどあったが、今は15あるかないかである。これらの人々は農村からやってきており、昼間は別の仕事をしている。

二つの2メートルの長さのあるテーブルと四角いテーブルを並べ、麻袋を開き、中か10あまりの洗面器、30本余りの櫛、2つの鏡、10あまりのコップ、5つの各種の歯磨き粉、化粧クリーム、大鍋、100あまりのタオルと使い捨て歯ブラシを取り出し、3つのテーブルの上に並べる。「衛生的なサービスをしてこそ、お客がいっぱい集まります」と趙雲香はいう。このあたりには洗顔屋さんが多いため、ただでさえあまりお客は集まらない。お客の厳しい要求に応えなければ、さらにひどくなるだろう。だから彼女は洗面用具一式をそろえる以外にも、毎日店を開く前に消毒液で繰り返し使う道具を全部消毒する。品物を並べると、趙雲香は顔なじみの店から4つの大きな水桶と預けてお石炭炉をとってきた。

30分の店の準備で、趙雲香は大汗を掻いていた。煙でいぶされて両目からは涙がひっきりなしに流れている。3時半、すべての準備がととのったのち、一休みしてから、趙雲香はバスターミナルから来たと思われるお客が出てくるのを待ち、商売が始まる。

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