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しかし、すべてのヘビ捕りが幸運に恵まれるわけではない。ある日、私と唐さんが無収穫で山を出たとき、盤渓村の小さな売店で一人の老人に出会った。老人は向いの家の敷居に座り、だまって空を見つめていたが、その目つきはとても憂鬱そうだった。私は彼の形の変わった指に気づき、ヘビに関係があるかもと思って、近づいて話しかけてみた。老人は9年前のかろうじて死をのがれた経歴を話してくれた。彼は五歩蛇を捕まえた時、あまりにもヘビの頭の近くを握ってしまったため、さらに緊張のため力を入れすぎたため、親指が五歩蛇の下顎をつぶして毒歯に触ってしまったという。その瞬間、彼は絶望に襲われた。指を切って命を保とうとも考えたが、そうする勇気はなかった。村民たちが彼をふもとまで背負って降り、地元の草薬を塗りつけた。4カ月後、草薬は彼の命を取り戻したが、毒素は親指を奪い、手のひらも筋肉と神経がひどく痛めつけられて形が変わってしまい、けがは7カ月を経てようやく完治した。それ以後、彼は完全に労働能力を失い、出稼ぎにいった息子の仕送りに頼って暮している。
それにも拘らず、多くの人が湿った山林で運を試している。彼らは山の中で、五歩蛇を捕まえるほか、キョクヒカエル、カンサントウ、アオハブなどの野生動物やマンネンタケなどお金になるものを家に持ち帰る。冬には、ハクビンシンやアナグマをわなで捕る。長年にわたる不法な採集と密猟によって、地元特有の動物の数は急劇に減り、生態系バランスに深刻な影響を及ぼした。ある動物が急劇に減少すると、森林の食物連鎖が途絶え、生態系全体のアンバランスをひき起こす。ヘビ捕りが増えるにつれ、ヘビの数は年を追っ齧歯動物が夥しく繁殖し、森林と農地のネズミの被害が深刻化する。地元の農作物や山の野生の竹林が、よくネズミの被害を受けるようになった。野生の竹林は水や土を保ち、気候を調節する役割を果たしている。生態系は、互いに通じ、互いに関連し、切り離せず、自然全体を形づくるものであり、そのうちのひとつが断たれると、システム全体が影響を受けるのである
「もう、ヘビは捕り尽くされたよ」。これは、唐さんが手ぶらで家に帰ってくる時、よく口にする言葉である。私と彼が一緒にヘビを捕った3年間、何の収穫もない日がよくあった。野外で五歩蛇を捕まえるのは、実に難しいことで、そのチャンスはさらに少なくなっている。唐さんは、年平均4、5匹の五歩蛇を捕まえる。彼の若い頃はまったく違った。「若い頃は山の中にはたくさんの動物がいて、山に入れば五歩蛇を捕まえることができました。しかし、その時はヘビなんか要る人は少なく、高く売れなかったので、危険を犯してまで捕る人はいませんでした。いまは変わりましたね。値段は高くなって、あれば売れてしまいます」と彼は感慨深げに語っ
唐さんのようなヘビ捕りたちは、ほとんど林の周辺で貧しい生活を送っている人たちで、まず物質的に豊かになることを望んでいて、動物保護の重要性を認識することができない。生態系が彼自身の生存にもつ重要性も理解しがたいだろう。ヘビの数の減少は、彼らにとって、ヘビを捕まえる機会が減り、儲けられるお金が少なくなることしか意味していない。野外で五歩蛇を見つけると、唐さんは興奮し、「沢山のお金を見つけた」かのように、すべての危険を忘れてしまう。一匹、重.5キログラムの五歩蛇を売って得られるお金は、唐さん一家が4カ月間アヒルの卵を売って得られる収入に等しいのだ。
これらの毒ヘビは、専門商人によって広東に運ばれ、最後に広東人の食卓にのぼる。SARSが流行した2003年に、人々はこのような食生活を反省した。「SARSは広東人が野生動物を食べてかかった病気だ」と、一時話題になった。政府の関係部門は、広州の動物取引に対する管理を強め、広州のヘビ肉の消費量は急劇に下がった。ここ数年、ペッの飼育がはやっており、絶滅の危機に瀕する珍しい動物をペットにする人々が現れ、これもヘビ類の生存の脅威となっている
人類の野蛮な乱獲によって、五歩蛇は森林の生態系における重要な役割を果たせず、人類が自分の欲望を満足させるときに伴う危険に過ぎなくなってしまった。生態系に欠かせない生物の数が激減している一方、市場のニーズに刺激された利潤は絶えず高騰している。この危険が伴う職業は、ヘビ捕りにしろ、買い手にしろ、野蛮な破壊者に過ぎない。自分の行為が人類の首をしめるとはまったく考えていないのだ。欲望があるのだから、捕殺の刀をどうして放せようか。唐さんは、彼のおんぼろのベッドから下りて、ベッドの下からゴムの長靴を取り出して履き、いつものように使い慣れたなたを腰にかけて、私にいった。「昨日、人をかんだ五歩蛇はまだ遠くまで行かないで、周りの草むらに隠れているに違いない。そこに行って、運を試し