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瓦猫がいる空
文 娟 子 楊剣坤  写真 楊剣坤

 

 

雲南の民間では、人々は瓦猫の神秘的な役割を深く信じている。村でもし家が連続して火事に見舞われれば、瓦猫がないせいとされ、瓦猫を作ってもらって屋根の上に置く。家の玄関がほかの家の屋根の角と向かい合ってしまったら、門の上に瓦猫を置き、家の角を食らうと脅しをかける。野原に門が向かいあってしまった場合は、野の魔物が入ってくることを恐れ、門か屋根のうえに瓦猫を置く。また、瓦猫を安置するときには、「開眼供養」を行う。

あっという間に大芸術家となった郜金福

瓦猫の制作は一般的に家庭単位で行われている。工芸は比較的簡単で、ネコの体、頭などの部位のほかに、目、耳、鼻、足などが手でこねて作られる。職人はネコの形を作ったのち、陰干しにしてから、窯の中に入れほかの陶器といっしょに焼成する。こうすることで瓦猫は壊れにくくなる。雲南では瓦猫を作るところが多く、鶴慶趙屯村には、いつの間にか農民大芸術家となっていた郜金福がいる。彼は屋根の上の瓦猫を芸術品に変身させ国外へ輸出した達人である。郜金福が作る瓦猫は雲南鶴慶でとても有名で、彼が作った瓦猫は有名になってから「猫福」と呼ばれるようになった。彼の家にはいたるところにまだ焼き上げていない瓦猫が置かれている。その瓦猫の足の後ろにはすべて「鶴慶猫福」の印が押されている。猫福が作った瓦猫は天真爛漫で、かつ野性味をもっている。

一塊の泥、一杯の水、一本の小刀、半径が違う数個の円筒。郜金福は瓦猫のほとんどを手でこねて作る。使用する道具はとても少なく、ブリキの管と竹ぐし1本くらいしか使わない。あっという間に、生き生きとした瓦猫が出来上がった。瓦猫の頭は体より大きく、口が大きく開き、目の形や姿はそれぞれに異なっていて、頭の上に一本の角が、額に八卦図があり、口の中には歯が1本多く、曲がったしっぽをもち、それは「金銀を呑み込む」「富をもたらす」という意味をもつ。郜金福が作った瓦猫は神秘的で霊気にあふれ、一個として同じものはない。

瓦猫を作る職人の多くはレンガ製作などの仕事を兼ねてやっている。ときには頼まれたときにだけ瓦猫を作る職人もいる。瓦猫には魂があり適当に作らないと目が傷つくと思われているからである。ある村の職人はそのせいで片目を失明したとも言われる。そのほかにも経済的な理由もある。植木鉢の制作には3分しかかからないが、瓦猫の制作は手順が多く、1日で数個しか作れない。生地は陰干しにしなければならず、窯の中で焼成するときも場所をとる。瓦猫の耳、舌、ひげなどの突き出している部位は折れやすく、一旦傷ものとなったら、邪気を払う作用もなくなり、売れなくなる。

郜金福の家を離れるとき、もうかなり遅い時間になっていた。家々の屋根の上の瓦猫の小さな黒いシルエットが、夕方の雲に映えている。その孤独な後ろ姿は夕方の光の下で小さいが凛々しく見えた。

 

 

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