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北方の水の都、済南
写真 麦田

 

 

大明湖

大明湖の湖畔では、「蓮池・湖畔」という江南的な言葉が、北方の都市にもふさわしいことが実感できることだろう。

大明湖を訪れた日は、ちょうど霧雨が降り、湖面は雨に煙っていて、岸辺は柳や各種の花や草にうっそうと覆われていた。江南式の橋や楼閣が湖畔に点在し、変化のある景観を形づくっている。

湖の北岸の高台には、元代の建築である北極閣がたち、絵のような風景となっている。清代の書家である鉄保の「四面の荷花三面の柳、一城の山色半城の湖」という詩が、大明湖が済南の美において果たしている役割をよく示している。私が訪れたとき、済南ではピンクや黄色のバラが咲き乱れ、町はさまざまな色で彩られていたが、大明湖湖畔でも水辺にバラが満開で、さらにイチハツなどの花が咲き乱れ、一面の花園となってい

大明湖がほかの湖と異なるのは、済南の多くの泉がその水源となっていることである。湖面が46ヘクタールある大明湖は、現在では中国最大の泉水湖となっている。

済南のさまざまなところからわき出ている泉は、町のお堀などの水路を通って四方八方から湖に流れ入り、さらに北方では珍しい自然湖の北水門を通って小清河に入って、水の都済南を生み出しているのである。

泉の都の保護

水は済南の魂である。水を特徴とした泉の都という風貌が済南の独特な自然的・文化的資源をつくりあげた。この都市はまた、自らの特色を守るために、常ならぬ努力をしている。2004年には、趵突泉のある公園と道をへだてたところにある五竜潭公園が、水路でつながった。市民は趵突泉で船に乗ることもでき、趵突泉の護城河船着き場から、堀を通り、西門橋を抜けて、五竜潭に行くこともできる。遊覧のための電動ボートや足漕ぎボートに乗ると、底に生える水草や魚までも見えるほどにその水は透き通っている

現在、済南は泉を保護するための緊急措置に関する法律が制定されている。とくに干ばつがひどい年には水源が枯れることがないよう、緊急措置がとられる。また、古い井戸も泉と同じ保護対象におかれる。済南市の考古学研究所の副所長である李銘氏は、済南の旧市街には多くの古井戸があり、そのなかの多くは人あるいは自然の破壊を受けていると考えている。済南の旧市街と泉の保護のなかでも、古井戸の保護はとても重要な位置を占めるものとなっている。

メモ

水は済南のような北方にある都市に、とても豊かであでやかな魅力を添えるものである。ここで1週間かけて大小さまざまな泉を訪ね歩いてもよいし、午後の陽光を浴びて、お堀ばたの緑のなかを散歩してもよい。お腹がすいたら、中国八大料理のひとつである山東料理を味わうことができる。山東料理では、北の特色である小麦粉を使った料理も、海の幸も、ともに味わうことができる。

もちろん、済南を拠点にして周囲の訪れる価値のある場所を訪ね歩いても、十分に楽しめることだろう。

済南は省都であるため、交通が発達しており、飛行機・鉄道・高速道路いずれも便利である。北京から済南まで鉄道でたった3時間だし、済南から北方の有名な海岸観光都市である青島まで、高速鉄道でたった2時間である。また、世界遺産に認定されている泰山までたった70キロである。自然遺産・文化遺産という二重の遺産をもつ泰山は、素晴らしい風景と深い文化的内容をもつところである。

 

 

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