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リー族の薬草
文 譚星宇 写真 李 昊

1994年、広州中医薬大学第一附属医院の袁浩教授は、西洋医学では治療不可能とされている「大腿骨血欠乏性壊死症」患者を治癒させることに成功した。その治療には、リー族の民間に伝わる薬が処方された。袁教授は「文化大革命」時代、海南島で仕事をしていたときに、機械で足の甲に傷を負った若者の治療をおこなったことがある。他の治療では如何ともし難く、足の切断のための準備が始められた。しかしその直前、患者の家族はリー族の医者に治療を頼み、このリー族の医者は新鮮な草をついて泥状にして、怪我人の足をすっぽりと包み込んだ。2カ月後、患者はしだいに回復していった。注意深く勉強好きな袁浩教授は、大きな誠意をもって、リー族の医者に草薬の調剤について教えを乞い、それが思いがけないことに、数十年後に役立ったのである。

1970年代、アメリカのニクソン大統領が訪中し、アメリカ人は初めて針灸を知った。世界の中国伝統医学への認識が深まるにしたがって、一種の治療法として、漢方は世界各地の人々に理解され受けいれられるようになった。中国で、漢方は主に漢族が集中して住む地区でさかんに行われているが、少数民族が集中して住む地域、例えば、チベット・内蒙古などの地区にも、地方的特色のある長い伝統をもった伝統医学がある。中国の最南端にある海南島でも、代々ここで生活しているリー族は、自然の植物を利用し疾病の治療を行ってきた。

海南島は熱帯に位置し、動植物が豊かだ。海南島の森林は薬用植物の宝庫で、薬用価値のある植物は5000種あまり、常用するものだけでも2500種以上あり、全国の薬用植物種の40%を占め、薬用動物(虫類を含む)は千種にのぼる。リー族は海南島の最も初期の住民であり、リー族の祖先は最も早く自然の中からさまざまな薬物を採取し、疾病の治療を行ってきた。リー族が食べる各種の野菜も大部分は薬用性があり、疾病の予防や治療に効果がある。

リー族の多くは山間地帯に居住し、道が険しく環境が複雑な高山で生活したり働いたりしている。森林の中には蛇や虫などが多く、草木の採集や狩猟の過程で怪我をしたり、動物に咬まれたりすることが多い。さらに蒸し暑い熱帯性気候や生活習慣によって、地方性疾病や難病が引き起こされる。疾病の予防のために、リー族は長期間にわたる医療実践の中でたえず模索と総括を行い、薬草を使った各種の疾病治療の有効な経験と方法を身につけてきた。リー族は毒蛇のかまれ傷・外傷・骨折・チフス・伝染病・婦人科疾病などの治療に豊かな経験をもち、特に薬草による肝臓病・熱帯病・免疫性の疾病などの治療に独特な方法をもつ。

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