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中国最南端にある海南島は有名な果物のふるさとである。史料によると、中国のヤシ栽培の歴史は2000年あまり前にさかのぼる。ヤシ栽培は海南に最も集中し、海南東北部にある文昌はなかでも一番を誇り、「海南のヤシの半分は文昌に、文昌のヤシの半分は東郊に産出する」といわれ、全国の産出量の52%を占めている。そのため、文昌市は「ヤシのふるさと」との美称がある。東郊の砂浜には長さ15キロメートルにわたるヤシ林があり、さまざまな品種のヤシの木が約50万株ある。中国最長の砂浜ヤシの廊下である。
海南では、ココナッツジュースがいたるところで売られている。ヤシの実は1個2、3元で、観光地では5元である。長さ40~50センチのなたでヤシの一端の外皮を切り、中身を露出させ、ストローでその汁を吸う。遠くの工場の空地にはヤシの実の殻が、ビル一階分ほどの高さに長さ数十メートルにもわたって積み上げられている。
車でさらに先へ進んで行くと、道路の両側には原始林かと思うほどに茂っているヤシの林がある。高く聳え立つヤシの木は大きい葉を張っていて、空中でかさかさと音を立て、南の海の強い日差しを遮っている。地面はかすかに赤色を帯びていて、薄鼠色の頑丈な木の幹が目の前をかすめて過ぎてゆく。濃い緑色のヤシの葉が縦横に交錯し、網のように頭上を覆い、その隙間には濃い褐色の光が光っている。
このヤシ林には数年かけて生長したヤシの木が多く、その幹は丈夫で高い。蛇のような模様の樹皮が幹のまわりを上に向かってはいのぼっており、多くの木は弧を描いて斜めに生長し、木の皮はぴったり張り付いた衣服のように、幹の形にあわせて生長している。
加工工場では、ヤシの果肉から干しココナッツヤシ、ココナッツミルク、ココナッツジュース、ココナッツ粉、そして無色のヤシ油などが作られている。ヤシの果肉を剥がしてから手で3、4センチのさいころ状の塊に切り分け、機械に入れてココナッツのスライスをつくる。工場主の説明によると、ヤシの果肉はココナッツスライスやココナッツの粉などのほかに、ヤシ油やココナッツミルクの原料にもなる。この工場の労働者の多くは4、50歳の女性である。手作業による果肉の加工は単調で簡単な労働のため、給料も低いので、若い娘たちはほかの仕事を選ぶという。男性の労働者も運転手以外はみな中年の人である。